処方の湿布・胃薬が高くなる?OTC類似薬の自己負担見直しと市販薬への切り替えを薬剤師が解説

50代の家族と70代の高齢者が処方薬の自己負担見直しに関する資料を一緒に確認しながら市販薬への切り替えを検討しているかどうか話し合っている全身のイラスト 制度・お金・セルフメディケーション

この記事を読んでほしい人

「処方の湿布や胃薬が高くなると聞いた。何がどう変わるのか知りたい」「市販薬に切り替えた方がいいか」と気になっている方、またはそのご家族


「処方の湿布や胃薬が高くなる」と聞いても、何がいつから変わるのか分かりにくいと感じる方は多いでしょう。現時点の情報では、2027年3月ごろから、市販薬と似た一部の処方薬に「特別の料金」が加わる仕組みが予定されています。ただし、すべての薬が対象になるわけではなく、自己判断で市販薬へ切り替えてよいわけでもありません。


冒頭3行結論

基本の考え方 現時点の情報では、2027年3月ごろから一部の処方薬に特別の料金が加わる仕組みが予定されています。市販薬への切り替えを検討する場合も、自己判断で処方薬をやめず、まずかかりつけ医または薬剤師に相談してください。

避けたいこと

  • 自己判断で処方薬を中止して市販薬に切り替える
  • 腎機能低下・抗凝固薬・緑内障・前立腺肥大などがあるのに確認せず市販薬を選ぶ

🧑‍⚕️ まず相談したいケース

  • 「自分(または親)の処方薬が対象になるか」が気になる場合
  • 「市販薬に変えられるか」を確認したい場合

① いつから変わるの?

現時点の情報では、2027年3月ごろの開始が予定されています。ただし、具体的な開始日や運用は今後の正式な案内で確認が必要です。制度の内容も変わる可能性があるため、かかりつけ医・薬剤師・自治体の案内に注意してください。


② 何が変わるの?

「保険適用から外れる」という話が広がりましたが、正確には少し違います。

現時点で示されているのは、市販薬と似た成分を含む一部の処方薬について、通常の自己負担(1〜3割)とは別に「特別の料金」が加わる仕組みです。保険がなくなるわけではなく、追加の負担が生じる形です。


③ 何が対象になるの?

現時点では、市販薬と成分・投与経路が同じ医療用医薬品のうち、77成分・約1,100品目が対象として示されています(今後変わる可能性があります)。

高齢者が処方されることが多い薬の例を分類します。

対象として示されている薬の例自己判断で市販薬にしない方がよい人
湿布・痛み止めロキソプロフェン・ジクロフェナクなど腎機能低下・胃潰瘍歴・抗凝固薬服用中
胃薬H2ブロッカー・制酸薬など腎機能低下・黒い便・吐血がある人
アレルギー薬・かぜ薬抗ヒスタミン薬など緑内障・前立腺肥大・認知機能低下が心配な人
保湿剤ヘパリン類似物質など出血しやすい病気・傷・ただれがある人
便秘薬酸化マグネシウムなど腎機能低下・高齢者・透析中

※具体的にどの薬が対象になるかは、今後かかりつけ医または薬剤師に確認してください。


④ いくら上がるの?

50代の家族がお薬手帳を確認しながら腎臓病や抗凝固薬などの持病がある高齢の親の処方薬を市販薬に切り替えても安全かを慎重に判断している様子のアップイラスト

追加負担は**「薬剤費の4分の1」**が基本として示されています。ただし、実際に窓口でいくら増えるかは、薬の種類・処方日数・現在の自己負担割合・今後の運用によって変わります。

また、市販薬への切り替えで必ずしも安くなるとは限りません。薬の容量・使用頻度・購入のタイミングによっては、市販薬の方がコストが高くなる場合もあります。


⑤ 配慮対象になる可能性がある人は?

次の方は「配慮対象として検討されている」と示されています。ただし、具体的な範囲や運用は今後の案内で確認が必要です。

  • 子ども
  • がん患者・難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方
  • 低所得者
  • 入院患者
  • 医師が医療上必要と判断した場合

自分や親が配慮対象に当てはまるかどうかは、かかりつけ医または薬剤師に相談してください。


⑥ 市販薬に変えていい?

50代の家族の背後から白衣の薬剤師がお薬手帳を確認しながら処方薬の自己負担見直しを機に市販薬への切り替えが可能かを持病と服薬状況を踏まえて丁寧にアドバイスしている様子のイラスト

薬の種類によっては、市販薬で対応できるケースがあります。ただし、次の点に注意してください。

自己判断で切り替えてはいけない場合

腎機能低下・抗凝固薬・胃潰瘍歴・緑内障・前立腺肥大・認知機能低下・糖尿病など持病がある方は、市販薬への切り替えを自己判断で行わないでください。同じ成分に見えても、処方薬と市販薬では用量・使用期間・処方意図が違う場合があります。

まず処方薬を自己判断でやめない

「薬代が上がるなら市販薬に変えよう」と思っても、処方薬を自己判断で中止するのは危険です。治療上必要な薬を急にやめると、症状が悪化する可能性があります。

かかりつけ医・薬剤師への相談が先

「この薬は市販薬で代替できますか」とかかりつけ医または薬剤師に相談するのが最も安全な手順です。お薬手帳を持参すると確認がスムーズです。


セルフメディケーション税制の活用

市販薬を自分で購入した場合、条件を満たせばセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の対象になります。年間12,000円を超えた購入額(最大88,000円まで)を所得控除できる制度です。ただし、対象商品・条件は変わることがあるため、国税庁または薬局の案内で確認してください。


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この記事の根拠

1. 厚生労働省 第209回社会保障審議会医療保険部会「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について」(2025年12月25日) OTC医薬品と成分・投与経路が同一で一日最大用量が異ならない医療用医薬品を対象に、77成分・約1,100品目が示され、薬剤費の1/4を「特別の料金」とする方向が示されています。

参照:厚生労働省 審議会資料(PDF)

2. PMDA 一般用医薬品 添付文書検索 市販薬への切り替えを検討する際、製品ごとの成分・用量・使用上の注意を確認することが重要です。

参照:PMDA 添付文書検索(一般用医薬品)

3. 国税庁 セルフメディケーション税制 セルフメディケーション税制は、対象医薬品の購入額が年間12,000円を超える場合に、一定額を所得控除できる制度です。対象商品・条件は変わることがあるため、国税庁または薬局の案内で確認してください。

参照:国税庁 セルフメディケーション税制


この記事は薬剤師が執筆・監修しています。制度の内容・対象・運用は今後変わる可能性があります。最新情報はかかりつけ医・薬剤師・自治体の案内でご確認ください。

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