高齢者の口角炎・舌の痛み、栄養不足のサインかも?市販薬の選び方と受診目安を薬剤師が解説

口角のひび割れと舌の痛みに悩む高齢女性と、栄養不足の可能性を示したイラスト 持病がある方の市販薬選び

この記事を読んでほしい人:口角が切れて痛む高齢者ご本人、繰り返す口角炎が気になる方

冒頭3行結論

✅ 知っておきたいこと:口角炎は、ビタミンB2・B6や鉄、亜鉛などの栄養素の不足が背景にあることがあります。

❌ 注意したいこと:市販の塗り薬(特にステロイド)を自己判断で使うと、原因がカンジダ(真菌)感染だった場合にかえって悪化することがあります。

🧑‍⚕️ 高齢者特有の注意:入れ歯を使っている方に口角炎が多いとされています。市販薬を2週間以上使っても治らない、繰り返す場合は、貧血など隠れた病気のサインである可能性があるため受診を検討してください。

口角炎とは?なぜ栄養不足と関係するのか

高齢者の口角炎や舌の痛みにつながる栄養不足、口の乾燥、入れ歯の刺激などを示した図解

口角炎は、口の両端(口角)が赤くなる、切れる、ひび割れるといった炎症です。ビタミンB2・B6・B12・Aの不足によって細菌感染を起こすケースが多いとされ、特にビタミンB2(リボフラビン)は皮膚や粘膜の健康維持に不可欠で、口角炎の発症に最も深く関わるビタミンとされています。

口角炎や舌の痛みに関係するビタミンB群、鉄、亜鉛と、それらを含む食品を示した図解

ビタミンB2・B6、鉄、亜鉛などの栄養素が不足すると、粘膜の修復機能が低下し炎症が起こりやすくなり、特に入れ歯を使っている高齢者に多くみられるとされています。また、栄養欠乏(鉄・亜鉛・ビタミンB群)は口角炎の原因全体の約4分の1を占めるとされ、血液検査で判明することがあります。鉄欠乏性貧血が背景にある場合、鉄剤の内服で口角炎が完全に消失することがあるともされています。

市販薬でできること・できないこと

口角炎や舌の痛みがあるときの口腔ケア、保湿、食事、休息のポイントを示した図解

市販薬は、症状に応じて使い分けることが大切です。

  • 赤み・腫れがある場合:抗炎症成分を含む製品
  • 患部がじゅくじゅくしている場合:殺菌成分・抗菌成分を含む製品
  • 唇が乾燥してひび割れている場合:ワセリンやヘパリン類似物質を含む保湿系の外用薬
  • 繰り返しやすい場合:ビタミンB群(特にB2・B6)を含む内服薬

ただし、ビタミン剤は即効性が出にくいため、痛みや荒れそのものには塗り薬を併用するとより早い改善が期待できるとされています。

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注意したいのは、市販のステロイド系軟膏を自己判断で塗った場合です。原因がカンジダ(真菌)感染だった場合、ステロイドはかえって症状を悪化させることがあるとされています。じゅくじゅくした症状や、繰り返す場合は、自己判断で強い薬を使い続けず、早めに医療機関に相談することをおすすめします。

こんなときは受診を

口角炎が2週間以上治らない、繰り返す、舌の痛みや白い付着物があるなど受診したい症状を示した図解
  • 市販薬を2週間以上使っても治らない
  • 何度も繰り返す
  • 患部がじゅくじゅくしている、または白っぽいカスのようなものがある(カンジダの可能性)
  • 舌の痛み・違和感も伴っている

市販薬を塗っても2週間以上治らなかったり、何度も繰り返したりする場合は、栄養不足以外の病気のサインである可能性があるとされています。

医療機関に伝えたい3つのこと

  • いつから、どのくらいの頻度で口角炎を繰り返しているか
  • 入れ歯の使用状況、普段の食事の内容
  • 市販薬を使った場合、どんな薬をどのくらい使ったか

よくある質問

Q. 口角炎にビタミン剤を飲んでいますが、なかなか良くなりません。

A. ビタミン剤は効果が出るまでに時間がかかることがあります。痛みや荒れそのものには塗り薬を併用するとよいとされていますが、2週間以上改善しない場合は自己判断を続けず医療機関に相談してください。

Q. 入れ歯を使っていますが、口角炎と関係ありますか?

A. 入れ歯を使っている高齢者は口角炎になりやすいとされています。合わない入れ歯が原因のこともあるため、繰り返す場合は歯科医院にも相談することをおすすめします。

まとめ

  • 口角炎はビタミンB2・B6や鉄、亜鉛などの栄養不足が背景にあることがあります
  • 市販薬は症状(赤み・じゅくじゅく・乾燥)に応じて使い分け、ビタミン剤と塗り薬の併用が効果的とされています
  • ステロイド系軟膏の自己判断使用はカンジダ感染を悪化させることがあるため注意が必要です
  • 市販薬を2週間以上使っても治らない、繰り返す場合は、貧血など隠れた病気のサインの可能性があるため受診を検討しましょう

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状については、医師にご相談ください。(最終確認日:2026年7月27日)

参考文献

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