高齢者の胃もたれ・胃痛に市販の胃薬は使っていい?種類と注意点を薬剤師が解説

70代の高齢者が胃の不調を訴えており50代の家族がお薬手帳を確認しながら胃薬を買う前に服薬内容を確かめている全身のイラスト 持病がある方の市販薬選び

この記事を読んでほしい人

高齢の家族の胃もたれ・胃痛に市販の胃薬を選んであげたい方、または高齢の方ご自身が胃薬を選ぼうか迷っている方


冒頭3行結論

まず確認したいこと 市販の胃薬を選ぶ前に、「胃もたれ・胃痛・胸焼け」のどの症状か、そして痛み止め・血液をサラサラにする薬・ステロイドを服用していないかを確認してください。

避けたい対応

  • 黒い便・吐血がある状態で胃薬だけで様子を見続ける
  • 服薬中の薬(NSAIDs・抗凝固薬・ステロイド)が胃症状の原因かもしれないのに胃薬だけで対応する

🧑‍⚕️ 受診を優先したいケース

  • 黒い便・血便・吐血がある
  • 強い痛みが続く・急に激しい腹痛
  • 体重が急に減った
  • 胃薬を数日使っても改善しない

高齢者の胃もたれ・胃痛が起きやすい理由

高齢者では胃の動きが低下し、食べ物が胃に留まりやすくなることで胃もたれが起きやすくなります。また、複数の薬を服用していることが多く、薬が胃に負担をかけている場合があります。

特に次の薬を使っている方では、胃症状や出血サインを見逃さないことが重要です。

  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):ロキソプロフェン・イブプロフェン・アスピリンなどの痛み止め・解熱剤
  • ステロイド薬:NSAIDsなどとの併用時に胃への負担が問題になることがあります
  • 抗凝固薬・抗血小板薬:血液をサラサラにする薬

「薬を飲んでから胃の調子が悪くなった」という場合は、かかりつけ医または薬剤師に相談してください。


市販の胃薬の主な種類

H2ブロッカー(ファモチジンなど)

胃酸の分泌を抑える薬です。胸焼け・胃酸が上がる感じに効果があります。市販でも比較的しっかりした効き目があります。

注意点

  • 腎機能が低い方は用量・使用頻度について薬剤師に相談してください
  • 数日使っても改善しない場合は受診を検討してください

制酸薬(炭酸水素ナトリウム・炭酸カルシウム・水酸化マグネシウムなど)

胃酸を中和する薬です。即効性があります。

注意点

  • マグネシウム系の制酸薬は、腎機能が低い方では高マグネシウム血症のリスクがあります(便秘薬の酸化マグネシウムと同様の注意が必要)
  • 長期使用は避け、改善しない場合は受診してください

消化酵素・健胃薬(タカヂアスターゼなど)

消化を助ける成分が入っています。食べすぎ・胃もたれに使いやすいです。

注意点

  • 痛みが強い場合は消化酵素系より先に受診を検討してください

胃粘膜保護薬(スクラルファート・テプレノンなど)

胃の粘膜を守る目的で使われる薬です。胃の荒れが気になる場合に候補になります。

注意点

  • 黒い便・吐血がある場合は胃薬より受診を優先してください

漢方系胃薬(安中散・六君子湯相当など)

体質や症状に合わせて選ぶ胃薬です。食欲不振・体質的な胃の弱さにも使われます。

注意点

  • 持病・服薬との相性を確認してから選んでください

薬が原因の胃症状に注意

50代の家族がお薬手帳を開いて高齢の親が飲んでいる痛み止めや抗凝固薬が胃の不調の原因になっていないか確認している様子のアップイラスト

NSAIDs(痛み止め)・ステロイド・抗凝固薬を服用中の方で胃の症状が出た場合は、市販の胃薬だけで対応しないことが重要です。

NSAIDsは胃粘膜に負担をかけることがあり、抗凝固薬・抗血小板薬を服用中の方では出血サインを見逃さないことが重要です。ステロイド薬を使用中の方も、併用薬を含めて医師・薬剤師に確認してください。特に抗凝固薬服用中に黒い便・吐血・強い胃痛・ふらつきが出た場合は、市販の胃薬より先に受診してください。


受診を考えるライン

  • 黒い便・血便・タール便がある
  • 吐血・コーヒー残渣様の嘔吐がある
  • 急に激しい腹痛・強い胃痛が続く
  • 体重が急に減った
  • 食欲低下が続く
  • 胃薬を数日使っても改善しない・悪化する

ドラッグストアでよく聞かれる相談

50代の家族の背後から白衣の薬剤師がお薬手帳を確認しながら痛み止めや抗凝固薬を飲んでいる高齢の親に合った胃薬の選び方と受診サインを説明している様子のイラスト

相談:「ロキソニンをよく飲む80代の父が胃もたれを訴えている。胃薬を買っていっていいか」

迷い:ロキソニンと胃薬を一緒に使っていいか分からない

結論:NSAIDs(ロキソプロフェン)は胃の不調に関係している可能性があります。胃薬を追加する前にかかりつけ医または薬剤師に相談することが適切。黒い便・吐血・強い痛みがあれば市販薬より先に受診を優先する


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この記事の根拠

1. 厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル「消化性潰瘍」 NSAIDsによる上部消化管出血では、吐血・黒色便が出現することがあると説明されています。高齢者・抗血栓薬・糖質ステロイド併用者はリスクが高いとされています。

参照:厚生労働省 消化性潰瘍マニュアル

2. PMDA 一般用医薬品 添付文書 H2ブロッカー・制酸薬・胃粘膜保護薬などの一般用医薬品では、製品ごとの添付文書で腎機能障害・長期使用・服薬中の薬に関する相談事項が記載されています。

参照:PMDA 添付文書検索(一般用医薬品)


この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

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