この記事を読んでほしい人
腎機能が低いと言われている方、または透析を受けている方で、全身のかゆみが続いていて市販のかゆみ止めを使おうか迷っている方、またはそのご家族
冒頭3行結論
✅ まず確認したいこと 全身のかゆみが続いている場合は、市販薬で対応する前に原因を確認することが重要です。腎機能が低い方の全身のかゆみは、腎機能低下に関連して起きている可能性があります。
❌ 避けたい対応
- 全身のかゆみに市販の飲み薬(第一世代抗ヒスタミン)を自己判断で使い続ける
- かゆみを「皮膚の問題」と決めつけて受診を先送りにする
🧑⚕️ 受診・相談が必要なケース
- 全身にかゆみがある(局所ではなく広範囲に広がっている)
- かゆみが2週間以上続いている
- 塗り薬では改善しない全身のかゆみ
腎機能が低い方で全身のかゆみが起きやすい理由
腎機能が低い方や透析を受けている方では、腎機能低下に関連した全身のかゆみが起こることがあります。皮膚の乾燥や体内環境の変化などが関与すると考えられており、市販のかゆみ止めだけでは改善しにくい場合があります。
透析を受けている方では、かゆみの症状がみられることが少なくありません。かゆみが強い場合は、市販薬で様子を見るより先に透析担当医へ相談することが重要です。
市販のかゆみ止めで対応できるかゆみとできないかゆみ

市販のかゆみ止めが効きやすいのは、次のような局所的・皮膚的な原因によるかゆみです。
- 虫刺され
- 乾燥による局所のかゆみ
- 接触性皮膚炎・かぶれ
- じんましん(一時的なもの)
一方、全身に広がるかゆみ・塗り薬では改善しないかゆみは、市販薬で対応するより先に原因を調べることが重要です。腎機能低下のほか、肝臓の病気・甲状腺の病気・血液の病気なども全身のかゆみの原因になることがあります。
腎機能が低い方が市販のかゆみ止めを使うときの注意点
全身のかゆみではなく、局所の虫刺されや乾燥によるかゆみに市販薬を使う場合でも、次の点に注意が必要です。
飲み薬(第一世代抗ヒスタミン内服)は慎重に
- 腎機能が低い方では、成分が蓄積する恐れがある
- 眠気・転倒リスクが高くなる恐れがある
- 前立腺肥大・緑内障がある方では抗コリン作用のリスクもある
塗り薬は比較的使いやすい場合がある
外用ステロイド・抗ヒスタミン外用薬は、腎機能への直接の影響が少ないとされています。ただし次の点は守ってください。
- 外用ステロイドは5〜6日程度を目安に短期間使い、改善しない場合は中止して受診する
- 広範囲・長期使用は避ける
薬剤師への相談3点セット

市販のかゆみ止めを選ぶとき、次の3点を薬剤師に伝えると適切なアドバイスを受けやすくなります。
- 腎機能の状態(腎機能が低いと言われているか、透析を受けているか)
- かゆみの場所と範囲(局所か・全身か)
- かゆみの期間(いつから続いているか)
全身のかゆみが続いている場合は、薬剤師から受診を勧められることがあります。
受診を考えるライン
次のいずれかに当てはまる場合は、市販薬より先に医療機関への相談が適切です。
- 全身にかゆみがある・広範囲に広がっている
- 2週間以上かゆみが続いている
- 塗り薬を使っても改善しない
- 透析を受けていてかゆみが強くなってきた
- かゆみ以外に倦怠感・むくみ・食欲低下がある
ドラッグストアでよく聞かれる相談
相談:「腎臓が悪くて透析をしているが、全身がかゆくてかゆみ止めを使いたい」
迷い:塗り薬では追いつかない。飲み薬を使っていいか
結論:透析患者のかゆみは腎機能低下そのものが原因であることが多く、市販薬では改善しにくい。まず透析担当の医師または薬剤師に相談することが適切。局所のかゆみであれば塗り薬が候補になるが、飲み薬の自己判断は避ける
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この記事の根拠
1. 日本皮膚科学会 皮膚瘙痒症診療ガイドライン2020 全身のかゆみ(汎発性皮膚瘙痒症)は、腎不全などの全身疾患に伴うことが多いとされています。局所のかゆみと異なり、基礎疾患の原因検索と治療が必要な場合があります。
2. PMDA 一般用医薬品 添付文書 第一世代抗ヒスタミン成分を含む一般用医薬品の添付文書には、前立腺肥大・緑内障・排尿困難のある方を相談対象とする記載があります。外用ステロイドを含む一般用医薬品の添付文書には、5〜6日間使用しても改善しない場合は中止して相談することが記載されています。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

