緑内障がある人に市販の睡眠改善薬は使っていい?症状への影響と受診目安を薬剤師が解説

ベッドに座って眠れず悩んでいる高齢男性のイラスト 持病がある方の市販薬選び

この記事を読んでほしい人

緑内障の治療中で、寝つきが悪いまたは夜中に目が覚めるため市販の睡眠改善薬を使おうか迷っている方、またはそのご家族


冒頭3行結論

まず確認したいこと 緑内障がある方が市販の睡眠改善薬を使う場合は、自己判断より先に薬剤師または眼科医への相談が必要です。

避ける成分

  • ジフェンヒドラミン(抗コリン作用により、緑内障の症状に影響する恐れがある)

🧑‍⚕️ 相談が特に必要なケース

  • 閉塞隅角緑内障と診断されている方
  • 緑内障の点眼薬を使用中の方
  • 眼科からの指示がある方

市販の睡眠改善薬に含まれる成分

市販の睡眠改善薬では、ジフェンヒドラミンを主成分とする製品が多く見られます。

ジフェンヒドラミンは第一世代抗ヒスタミン成分で、眠気を誘う作用を利用した成分です。抗コリン作用が強く、緑内障がある方では症状に影響する恐れがあります。


緑内障がある方でジフェンヒドラミンが問題になる理由

ジフェンヒドラミンは抗コリン作用を持ちます。抗コリン作用は、目の瞳孔を開く方向に働くことがあり、閉塞隅角緑内障の方では眼圧が上昇する恐れがあります。

市販の睡眠改善薬の添付文書には、緑内障がある方を相談対象として記載しています。


緑内障の種類によって注意度が変わる

緑内障には大きく「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」の2種類があります。

緑内障の種類抗コリン作用の影響
閉塞隅角緑内障眼圧が上昇する恐れがあり、特に注意が必要
開放隅角緑内障緑内障の種類によって注意点が異なるため、自己判断は避ける

自分がどちらのタイプか分からない方は、眼科または薬剤師に確認してから市販薬を選んでください。

なお、閉塞隅角緑内障の方でもレーザー手術を受けて眼圧が安定しているケースでは、扱いが変わることがあります。購入前に薬剤師へ相談する際は、次の2点を伝えると判断の参考になります。

  • 緑内障の種類(開放か閉塞か、分からない場合はその旨)
  • 眼圧の状態と手術歴(レーザー手術を受けたかどうか)

「緑内障の薬を飲んでいるから大丈夫」とはいえない理由

緑内障の治療薬(点眼薬)を使っていても、市販薬の成分によって眼圧に影響が出る恐れがあります。治療中であることは「安全」の根拠にはなりません。

購入前に薬剤師へ、現在使用中の点眼薬の名前と緑内障の種類を伝えたうえで相談してください。


睡眠の問題で受診を考えるライン

次のいずれかに当てはまる場合は、市販薬で様子を見るより先に医療機関への相談が適切です。

  • 2週間以上、寝つきが悪い状態が続いている
  • 夜中に何度も目が覚めて日中の生活に支障がある
  • 眼科から市販薬の使用について制限を受けている
  • 緑内障以外にも持病がある

睡眠の問題が続く場合は、睡眠外来や内科・精神科でより適切な治療を受けられる場合があります。


ドラッグストアでよく聞かれる相談

相談:「緑内障があるけど、寝つきが悪くて市販の睡眠改善薬を使いたい」

迷い:どの成分なら使えるのか、そもそも使っていいのか分からない

結論:市販の睡眠改善薬では、ジフェンヒドラミンを主成分とする製品が多く見られます。緑内障がある方は、購入前に薬剤師へ緑内障の種類と使用中の点眼薬を伝えて相談するのが基本です。


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この記事の根拠

1. American Geriatrics Society 2023 Updated AGS Beers Criteria® 第一世代抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン等)は、高齢者で避けるべき薬として収載されており、強い抗コリン作用による混乱・転倒・排尿困難などのリスクが示されています。

参照:American Geriatrics Society 2023 Updated AGS Beers Criteria® (J Am Geriatr Soc. 2023;71(7):2052-2081)

2. PMDA 一般用医薬品 添付文書 ジフェンヒドラミンを含む一般用医薬品の添付文書には、緑内障のある方を相談対象とする記載があります。

参照:PMDA 添付文書検索(一般用医薬品)


この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

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