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緑内障または前立腺肥大の治療中で、眠れないときに市販の睡眠改善薬を使えるか知りたい方、またはそのご家族
冒頭3行結論
✅ 基本の考え方 緑内障・前立腺肥大がある方には、ジフェンヒドラミン系(従来の市販睡眠改善薬)は使用前に必ず薬剤師または医師に相談してください。眠れない原因を確認し、必要であれば受診を優先してください。
❌ 避けたいこと
- 緑内障・前立腺肥大があるのにジフェンヒドラミン系睡眠改善薬を自己判断で使う
- かぜ薬・花粉症薬・かゆみ止めなど他の市販薬に含まれる抗ヒスタミン成分を見落とす
🧑⚕️ 受診を検討したいケース
- 眠れない状態が2週間以上続いている
- 目の痛み・かすみ・見え方の急な変化・頭痛・吐き気がある
- 排尿の症状が悪化した(尿が出にくい・残尿感が強くなった)
ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン薬)の抗コリン作用とは
ジフェンヒドラミンなどの第一世代抗ヒスタミン薬には「抗コリン作用」があります。これは、副交感神経の働きを抑える作用で、様々な臓器に影響します。
- 眼:瞳孔が開く・毛様体筋が緩む
- 前立腺・膀胱:膀胱の収縮が抑えられ、尿が出にくくなる
- 腸:腸の動きが抑えられ、便秘になりやすい
- 唾液腺:口が渇く
- 脳:眠気・混乱・認知機能への影響
緑内障がある方への注意
抗コリン作用と眼圧の関係
緑内障には「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」があります。特に閉塞隅角緑内障(または閉塞隅角を持つ方)では、抗コリン作用によって瞳孔が開き、眼圧が急上昇することがあります。
急性閉塞隅角緑内障発作は視力を失うリスクがある緊急事態です。
開放隅角緑内障の場合
開放隅角緑内障では、一般的に抗コリン薬の影響は閉塞隅角より少ないとされていますが、自己判断で使わず、眼科または薬剤師に確認することが適切です。
緑内障の種類が分からない場合
「緑内障と言われているが、どの種類か分からない」という場合は、ジフェンヒドラミン系の市販薬は自己判断で使わず、眼科またはかかりつけ医に確認してください。
前立腺肥大がある方への注意
抗コリン作用により膀胱の収縮が抑えられると、前立腺肥大がある方では尿が出にくくなる・排尿に時間がかかる・残尿感が強くなるなどの症状が悪化することがあります。まれに尿閉(まったく尿が出なくなる)につながることがあります。
前立腺肥大がある方は、ジフェンヒドラミン系の睡眠改善薬・花粉症薬・かぜ薬・かゆみ止めを使う前に、必ず薬剤師または医師に相談してください。
市販薬に「隠れた抗ヒスタミン成分」に注意

ジフェンヒドラミンやその類似成分は、睡眠改善薬だけでなく次の市販薬にも含まれていることがあります。
- かぜ薬(眠気を伴う総合感冒薬)
- 花粉症・アレルギー薬(第一世代抗ヒスタミン薬)
- かゆみ止め外用薬(ジフェンヒドラミン塩酸塩を含む製品もあるため、広範囲・長期使用では相談)
- 乗り物酔い薬
緑内障・前立腺肥大がある方は、「睡眠改善薬以外は大丈夫」と思わず、成分を確認することが重要です。購入前にお薬手帳を持って薬剤師に確認してください。
ロゼレムS(ラメルテオン)は選択肢の一つになりうる
2026年7月28日発売予定と発表されているロゼレムS(ラメルテオン、要指導医薬品)は、抗コリン作用がないメラトニン受容体作動薬です。ジフェンヒドラミン系で問題になりやすい口渇・排尿困難・眼圧上昇のリスクは異なります。発売前情報のため、購入前に最新の製品情報を確認してください。
ただし、要指導医薬品のため購入時に薬剤師への相談が必要であり、フルボキサミン(抗うつ薬)服用中の方は使用できません。緑内障・前立腺肥大がある方でも、自己判断で選ばず必ず薬剤師に持病・服薬状況を伝えてから選んでください。
眠れないときの代替の考え方
市販薬を使わずに試せることがあります。
- 睡眠環境の見直し:室温・光・音のコントロール
- 就寝前の習慣:スマートフォン・強い光を避ける、軽いストレッチや入浴
- 昼寝を短くする:30分以内、午後3時より前に
- 起床時間を一定にする:起床時刻を固定すると体内時計が整いやすい
薬剤師への相談3点セット
- 眠れない状態の内容(寝つきが悪い・途中で起きる・いつから)
- 緑内障・前立腺肥大の状態(診断されている種類・治療中の薬)
- 服用中の他の市販薬(かぜ薬・花粉症薬・かゆみ止めなど)
受診を考えるライン
- 眠れない状態が2週間以上続いている
- 目の痛み・かすみ・見え方の急な変化・頭痛・吐き気がある
- 排尿の症状が悪化した・尿が出なくなった
- ジフェンヒドラミン系を使用後に目や排尿の症状が悪化した
ドラッグストアでよく聞かれる相談

相談:「前立腺肥大で泌尿器科に通っている父が眠れないと言っている。ドリエルを買っていっていいか」
迷い:前立腺肥大があるとドリエルは使えないのか
結論:前立腺肥大がある方にはジフェンヒドラミン系(ドリエルなど)は排尿困難・尿閉のリスクから使用前に必ず相談が必要。かぜ薬・花粉症薬にも同じ成分が入っていることがあるため、他の市販薬も確認することが重要。眠れない原因(頻尿・痛み・薬の副作用など)も確認することが適切です
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この記事の根拠
1. PMDA 一般用医薬品 添付文書 ジフェンヒドラミン塩酸塩を含む一般用医薬品では、製品ごとの添付文書で緑内障・前立腺肥大・排尿困難などに関する相談事項が記載されています。
2. Beers Criteria 2023(米国老年医学会) 第一世代抗ヒスタミン薬は高齢者で抗コリン作用による口渇・便秘・混乱などが問題になりやすく、転倒や尿閉にも注意が必要とされています。
参照:American Geriatrics Society Beers Criteria 2023
3. アリナミン製薬 ロゼレムS 製品情報(2026年5月20日承認取得) ラメルテオン(メラトニン受容体作動薬)を有効成分とする要指導医薬品。購入前に最新の製品情報を確認してください。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

