この記事を読んでほしい人
糖尿病または腎機能低下がある方・透析中の方で、乾燥肌やかゆみへの対処法を知りたい方、またはそのご家族
冒頭3行結論
✅ 基本の考え方 乾燥・粉ふき・軽いかゆみには、まず保湿剤を毎日使うことが基本です。ただし糖尿病・腎機能低下がある方では、傷・感染・全身のかゆみへの注意が必要です。
❌ 避けたいこと
- 傷・ひび割れ・ジュクジュクした部位に保湿剤を重ねる
- 全身のかゆみを「乾燥だけ」と判断して市販薬だけで様子を見続ける
🧑⚕️ 早めに受診したいケース
- 傷が治りにくい・皮膚が赤くなって広がっている
- 全身のかゆみが続いている・夜間に強いかゆみがある
- 透析中でかゆみが続いている
糖尿病がある方の皮膚トラブルが悪化しやすい理由
糖尿病がある方では、次の理由から皮膚トラブルが悪化しやすくなることがあります。
皮膚の乾燥・傷の治りにくさ 血糖コントロールの乱れや血流・神経障害の影響で、皮膚の乾燥や傷の治りにくさが問題になることがあります。乾燥・かゆみ・ひび割れが起きやすくなります。
感染への抵抗力の低下 皮膚に傷ができた場合、感染しやすく治りにくいことがあります。かき壊しや小さな傷も放置しないことが重要です。
神経障害による感覚の変化 神経障害がある方では、かゆみや痛みに気づきにくいことがあります。特に足・背中など自分で見えにくい部位では、家族が定期的に確認することが適切です。
腎機能が低い方で乾燥肌・かゆみが続く理由
腎機能が低下していると、皮膚の乾燥・かゆみが起きやすくなることがあります。
皮膚の乾燥・かゆみ 腎機能が低下している方や透析中の方では、皮膚が乾燥しやすく、かゆみが続くことがあります。
尿毒症性そう痒症 透析中または腎機能が著しく低下している方では、尿毒素の蓄積、ミネラル代謝の乱れ、皮膚の乾燥など複数の要因が関係して、全身のかゆみが続くことがあります(尿毒症性そう痒症)。この場合、市販の保湿剤やかゆみ止めだけでは十分に改善しないことがあります。
全身のかゆみが続く場合は、乾燥だけと判断せず、かかりつけ医または透析担当医に相談してください。
市販の保湿剤で対応できる範囲

軽い乾燥・粉ふき・軽いかゆみであれば、市販の保湿剤が候補になります。
ヘパリン類似物質 乾燥・軽いかゆみに候補になりやすい保湿剤です。傷・ただれ・ジュクジュクした部位には使わないでください。
ワセリン 皮膚を保護する目的で使いやすいです。刺激が少なく、乾燥した部位に使えます。ジュクジュクした傷・膿・強い赤みがある部位には使わず受診してください。
尿素配合クリーム かかと・すねなど硬くなった乾燥に使われます。傷・ひび割れ・湿疹がある部位にはしみやすいため使わないでください。糖尿病で神経障害がある方は、しみに気づきにくいことがあるため注意が必要です。
糖尿病・腎機能低下がある方での受診を考えるライン
次のいずれかに当てはまる場合は、市販薬より先にかかりつけ医または薬剤師に相談することが適切です。
- 傷が治りにくい・赤みが広がっている・膿が出ている
- 皮膚に黒ずみ・変色がある
- 全身のかゆみが続く・夜間のかゆみが強い
- 透析中でかゆみが続いている
- 保湿剤を使っても改善しない・悪化している
薬剤師への相談3点セット

- 持病の状態(糖尿病の治療中か・腎機能低下・透析中か)
- 皮膚の状態(乾燥・粉ふき・かゆみの部位・傷・ひび割れの有無)
- 服用中の薬の名前(お薬手帳があれば持参)
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この記事の根拠
1. 日本皮膚科学会 皮脂欠乏症診療の手引き2021 皮脂欠乏症に対する保湿剤の使用が皮膚乾燥を改善するとされています。
2. 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター「神経障害」 糖尿病による神経障害では、感覚低下により皮膚トラブルの発見が遅れることがあります。
3. 慢性腎臓病(CKD)に関する医療機関情報 腎機能が低下すると、体内の水分や電解質などの調整が難しくなることがあります。本記事では、腎機能低下や透析中の方が全身のかゆみを乾燥だけと判断しないよう説明する根拠として参照しています。
参照:慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 慢性腎臓病(CKD)
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

