この記事を読んでほしい人
高齢の家族に市販の虫よけを選んであげたい方、または高齢の方ご自身が虫よけを使おうか迷っている方
冒頭3行結論
✅ 使える場合がある ディートまたはイカリジン配合の虫よけは、正しく使えば高齢者にも使用できます。ただし皮膚が乾燥しやすい高齢者では、湿布・塗り薬を使っている部位、傷・湿疹がある部位への使用は避けてください。
❌ 避けたい対応
- 湿布・外用薬を使っている部位に虫よけを重ねる
- 目・口・鼻まわりの粘膜に使う
- 傷や湿疹がある部位に使う
🧑⚕️ 受診を考えるケース
- 使用後に強いかゆみ・赤み・腫れが出た
- 目に入って痛みが続く・大量に口に入った
市販の虫よけの主な成分
ディート(DEET)
日本で最も広く使われている虫よけ成分です。蚊・ブヨ・アブ・マダニなど幅広い虫に対して効果があるとされています。
高齢者での注意点
- 皮膚が乾燥しやすく刺激を感じやすいため、使用量は必要最小限に
- 傷・湿疹・かぶれがある部位には使わない
- 湿布・塗り薬などの外用薬を使っている部位には重ねない
- 帰宅後・就寝前に石けんで洗い流す
子どもへの年齢制限 生後6か月未満には使用できません。家族で共用する場合は製品表示の確認が必要です。
イカリジン(Icaridin)
比較的新しい虫よけ成分です。蚊・ブヨ・マダニなどへの対策に使われますが、対応する虫の種類は製品表示で確認してください。
ディートより皮膚刺激が少ないとされており、衣類・プラスチックへの影響も少ない点が特徴です。
高齢者での注意点 ディートと同様に、傷・湿疹・外用薬・湿布を使っている部位には使わないようにしてください。
ディートとイカリジンの比較
| ディート | イカリジン | |
|---|---|---|
| 対応する虫の幅 | 広い(蚊・マダニ・ブヨ・アブなど) | 蚊・ブヨ・マダニなど |
| 皮膚・素材への注意 | 肌への刺激や衣類・プラスチックへの影響に注意 | 肌や素材への影響が比較的少ないとされる |
| 子どもへの年齢制限 | 生後6か月未満は不可・使用回数制限あり | 製品により生後6か月以上 |
| 高齢者での使いやすさ | 使用できるが皮膚への注意が必要 | 皮膚刺激の点では使いやすいとされる |
高齢者で特に注意が必要なこと

皮膚が乾燥しやすく刺激を感じやすい
高齢者は皮膚が乾燥しやすく、刺激に対して敏感なことがあります。虫よけは皮膚に直接触れるため、使用量は必要最小限にし、様子を見ながら使ってください。
湿布・塗り薬を使っている部位には重ねない
湿布・外用消炎鎮痛薬・ステロイド外用薬などを使っている部位に虫よけを重ねると、皮膚への刺激が増す場合があります。外用薬を使っている部位は避けて使用してください。
傷・湿疹・かぶれがある部位には使わない
皮膚に異常がある部位は、通常より刺激を受けやすいです。傷・湿疹・虫刺されのかぶれがある部位には使わないようにしてください。
帰宅後・就寝前に洗い流す
外出から戻ったら、虫よけを塗った部分を石けんで洗い流してください。長時間残ったままにしないことが重要です。
正しい使い方のポイント
- 顔・目・口・鼻まわりには直接つけない(手で触れた指が顔につかないよう注意)
- 露出している皮膚にムラなく使い、長袖・長ズボンなどの服装対策も組み合わせる
- マダニが多い場所(草むら・山林)では、忌避剤だけでなく服装対策との組み合わせが重要
- 必要以上に何度も塗り直さない
受診を考えるライン
- 使用後に強いかゆみ・赤み・腫れが続く(アレルギー反応の可能性)
- 目に入った場合はすぐに流水で洗い、痛みや違和感が続く場合は医療機関に相談してください
- 大量に口に入った場合は、製品を持って医療機関や中毒相談窓口に相談してください
ドラッグストアでよく聞かれる相談

相談:「湿布を貼っている80代の父が外出するので虫よけを買っていきたい。ディートとイカリジンどちらがいいか」
迷い:どちらが高齢者に向いているか、湿布部位に塗っていいかが分からない
結論:どちらも使用可能だが、湿布を貼っている部位には虫よけを重ねないことが重要。皮膚への刺激という点ではイカリジンの方が使いやすいとされる。正しい使い方と帰宅後の洗い流しを守れば高齢者でも使える
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この記事の根拠
1. 国立感染症研究所 マダニ対策 マダニ対策の忌避剤として、ディートおよびイカリジンが紹介されています。忌避剤の使用でマダニの付着数は減るものの、完全に防ぐものではないため、服装などと組み合わせることが重要とされています。
2. PMDA 一般用医薬品 添付文書 ディート・イカリジンを含む虫よけ製品では、製品ごとの添付文書で傷・湿疹・粘膜への使用回避、使用回数・年齢制限などが記載されています。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

