高齢者に市販の虫よけは使っていい?ディートとイカリジンの違いと注意点を薬剤師が解説

50代の家族が外出前に70代の高齢者の腕に虫よけを塗りながら湿布や塗り薬が貼ってある部位を避けて使っている全身のイラスト 皮膚ケア・紫外線対策

この記事を読んでほしい人

高齢の家族に市販の虫よけを選んであげたい方、または高齢の方ご自身が虫よけを使おうか迷っている方


冒頭3行結論

使える場合がある ディートまたはイカリジン配合の虫よけは、正しく使えば高齢者にも使用できます。ただし皮膚が乾燥しやすい高齢者では、湿布・塗り薬を使っている部位、傷・湿疹がある部位への使用は避けてください。

避けたい対応

  • 湿布・外用薬を使っている部位に虫よけを重ねる
  • 目・口・鼻まわりの粘膜に使う
  • 傷や湿疹がある部位に使う

🧑‍⚕️ 受診を考えるケース

  • 使用後に強いかゆみ・赤み・腫れが出た
  • 目に入って痛みが続く・大量に口に入った

市販の虫よけの主な成分

ディート(DEET)

日本で最も広く使われている虫よけ成分です。蚊・ブヨ・アブ・マダニなど幅広い虫に対して効果があるとされています。

高齢者での注意点

  • 皮膚が乾燥しやすく刺激を感じやすいため、使用量は必要最小限に
  • 傷・湿疹・かぶれがある部位には使わない
  • 湿布・塗り薬などの外用薬を使っている部位には重ねない
  • 帰宅後・就寝前に石けんで洗い流す

子どもへの年齢制限 生後6か月未満には使用できません。家族で共用する場合は製品表示の確認が必要です。

イカリジン(Icaridin)

比較的新しい虫よけ成分です。蚊・ブヨ・マダニなどへの対策に使われますが、対応する虫の種類は製品表示で確認してください。

ディートより皮膚刺激が少ないとされており、衣類・プラスチックへの影響も少ない点が特徴です。

高齢者での注意点 ディートと同様に、傷・湿疹・外用薬・湿布を使っている部位には使わないようにしてください。


ディートとイカリジンの比較

ディートイカリジン
対応する虫の幅広い(蚊・マダニ・ブヨ・アブなど)蚊・ブヨ・マダニなど
皮膚・素材への注意肌への刺激や衣類・プラスチックへの影響に注意肌や素材への影響が比較的少ないとされる
子どもへの年齢制限生後6か月未満は不可・使用回数制限あり製品により生後6か月以上
高齢者での使いやすさ使用できるが皮膚への注意が必要皮膚刺激の点では使いやすいとされる

高齢者で特に注意が必要なこと

50代の家族が70代の高齢者の腕の皮膚状態や湿布の位置を確認しながら虫よけを塗っても安全な部位を確かめている様子のアップイラスト

皮膚が乾燥しやすく刺激を感じやすい

高齢者は皮膚が乾燥しやすく、刺激に対して敏感なことがあります。虫よけは皮膚に直接触れるため、使用量は必要最小限にし、様子を見ながら使ってください。

湿布・塗り薬を使っている部位には重ねない

湿布・外用消炎鎮痛薬・ステロイド外用薬などを使っている部位に虫よけを重ねると、皮膚への刺激が増す場合があります。外用薬を使っている部位は避けて使用してください。

傷・湿疹・かぶれがある部位には使わない

皮膚に異常がある部位は、通常より刺激を受けやすいです。傷・湿疹・虫刺されのかぶれがある部位には使わないようにしてください。

帰宅後・就寝前に洗い流す

外出から戻ったら、虫よけを塗った部分を石けんで洗い流してください。長時間残ったままにしないことが重要です。


正しい使い方のポイント

  • 顔・目・口・鼻まわりには直接つけない(手で触れた指が顔につかないよう注意)
  • 露出している皮膚にムラなく使い、長袖・長ズボンなどの服装対策も組み合わせる
  • マダニが多い場所(草むら・山林)では、忌避剤だけでなく服装対策との組み合わせが重要
  • 必要以上に何度も塗り直さない

受診を考えるライン

  • 使用後に強いかゆみ・赤み・腫れが続く(アレルギー反応の可能性)
  • 目に入った場合はすぐに流水で洗い、痛みや違和感が続く場合は医療機関に相談してください
  • 大量に口に入った場合は、製品を持って医療機関や中毒相談窓口に相談してください

ドラッグストアでよく聞かれる相談

50代の家族の背後から白衣の薬剤師がお薬手帳を確認しながら高齢の親の外用薬と皮膚状態を踏まえてディートかイカリジンかを一緒に選んでいる様子のイラスト

相談:「湿布を貼っている80代の父が外出するので虫よけを買っていきたい。ディートとイカリジンどちらがいいか」

迷い:どちらが高齢者に向いているか、湿布部位に塗っていいかが分からない

結論:どちらも使用可能だが、湿布を貼っている部位には虫よけを重ねないことが重要。皮膚への刺激という点ではイカリジンの方が使いやすいとされる。正しい使い方と帰宅後の洗い流しを守れば高齢者でも使える


関連記事


この記事の根拠

1. 国立感染症研究所 マダニ対策 マダニ対策の忌避剤として、ディートおよびイカリジンが紹介されています。忌避剤の使用でマダニの付着数は減るものの、完全に防ぐものではないため、服装などと組み合わせることが重要とされています。

参照:国立感染症研究所 マダニ対策、今できること

2. PMDA 一般用医薬品 添付文書 ディート・イカリジンを含む虫よけ製品では、製品ごとの添付文書で傷・湿疹・粘膜への使用回避、使用回数・年齢制限などが記載されています。

参照:PMDA 添付文書検索(一般用医薬品)


この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

タイトルとURLをコピーしました