この記事を読んでほしい人
農作業・庭仕事・山歩きをする高齢の家族がいて、マダニ対策として何を選べばよいか知りたい方
冒頭3行結論
✅ 基本の考え方 マダニ対策は、虫よけ(忌避剤)だけでなく、長袖・長ズボン・帽子などの服装対策との組み合わせが重要です。忌避剤はマダニの付着数を減らしますが、完全に防ぐものではありません。
❌ 避けたいこと
- 「虫よけをつけたから大丈夫」と服装対策を省く
- マダニに刺されていても気づかずに放置する
🧑⚕️ 受診が必要なケース
- マダニに刺された後に発熱・発疹・倦怠感が出た
- 吸血中のマダニが皮膚についている、または無理に取ろうとして一部が残った
マダニが媒介する主な感染症
マダニは吸血するときに、様々な病原体を体内に移すことがあります。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS) ウイルスが原因の感染症で、発熱・嘔吐・下痢・出血傾向などが起きます。致死率が高く、高齢者や免疫が低下している方では特に注意が必要です。西日本を中心に報告されていますが、地域によってリスクが異なるため、農作業・山歩きでは全国的に注意が必要です。
日本紅斑熱・ライム病 細菌が原因の感染症です。発熱・発疹・関節痛などが特徴です。抗菌薬で治療可能ですが、早期発見・早期治療が重要です。
ダニ媒介脳炎 ウイルスが原因の感染症で、日本でも一部地域で報告されています。
マダニに有効な虫よけ成分の考え方
国立感染症研究所は、マダニ対策の忌避剤としてディートおよびイカリジンを挙げています。ただし忌避剤はマダニの付着数を減らす効果がありますが、完全に防ぐわけではないため、服装などの対策と組み合わせることが重要です。
ディート 蚊・マダニ・ブヨ・アブなど幅広い虫への対応が確認されており、アウトドアでよく選ばれます。
イカリジン マダニ対策にも使われますが、対応する虫の種類は製品表示で確認してください。皮膚や衣類への影響が比較的少ないとされます。
服装対策との組み合わせが重要
忌避剤だけでなく、次の服装対策を組み合わせてください。
- 長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を減らす
- ズボンの裾を靴下や長靴の中に入れる
- 帽子・手袋・首にタオルを巻く
- 服は明るい色にする(マダニを視認しやすくするため)
- ディートはプラスチックや衣類の素材を傷める場合があるため、衣類への使用は製品表示を確認
農作業・山歩き後に確認すること

マダニは草むら・山林・やぶ・畑の周辺などに生息しています。帰宅後に次のことを行ってください。
衣類の処理
- 脱いだ衣類は屋外でよく払い、早めに洗濯する
入浴時の体確認
- 頭皮・耳の後ろ・わき・股間・膝の裏など皮膚が柔らかい部分を確認する
- マダニは小さく、刺されても気づかないことがある
マダニに刺された場合の対処
やってはいけないこと マダニを自分で無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚に残ることがあります。つぶしたり引っ張ったりしないでください。
受診を優先する マダニに刺された場合は、医療機関で取り除いてもらうことが安全です。
受診が必要なサイン マダニに刺された後、次の症状が出た場合はすぐに受診してください。
- 発熱・寒気・倦怠感
- 発疹(刺された部位周辺・全身)
- 吐き気・嘔吐・下痢
- 頭痛・筋肉痛
高齢者に特に注意したいこと
SFTSは高齢者や免疫が低下している方で重症化しやすいとされています。農作業・山歩きをする高齢の家族がいる場合は、次のことを確認してください。
- 農作業・山歩き前に虫よけ+服装対策を整える
- 帰宅後に体を確認する習慣をつける
- マダニに刺された場合は自己処置せず受診する
ドラッグストアでよく聞かれる相談

相談:「農作業をする80代の父のためにマダニ対策の虫よけを買いたい。ディートとイカリジンどちらがいいか」
迷い:マダニにはディートの方がいいのか、高齢者の皮膚への影響が心配
結論:どちらもマダニ対策に使われる。ディートは対応虫種が広く、アウトドアでよく使われる。高齢者の皮膚刺激という点ではイカリジンが使いやすいとされることがある。ただし虫よけだけに頼らず、長袖・長ズボン・帰宅後の体確認を組み合わせることが重要。使っている外用薬・湿布の部位には重ねないことも確認する
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この記事の根拠
1. 国立感染症研究所 マダニ対策、今できること マダニ対策の忌避剤としてディートおよびイカリジンが紹介されています。忌避剤の使用でマダニの付着数は減るものの、完全に防ぐものではないため、服装などの対策と組み合わせることが重要とされています。
2. 国立感染症研究所 SFTS(重症熱性血小板減少症候群) SFTSはマダニが媒介するウイルス感染症で、高齢者や基礎疾患がある方で重症化しやすいとされています。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。マダニに刺された後の症状については、かかりつけ医または医療機関にご相談ください。

