この記事を読んでほしい人
高齢の家族が立ちくらみを繰り返しており、服薬中の薬が関係しているか気になっている方、または高齢の方ご自身が立ちくらみの原因を知りたい方
冒頭3行結論
✅ まず確認したいこと 立ちくらみの原因として、脱水・血圧変動・服薬中の薬の影響が関係することがあります。まず服薬中の薬をお薬手帳で確認し、薬剤師またはかかりつけ医に相談してください。
❌ 避けたいこと
- 薬剤性が疑われても自己判断で薬を中止する
- 脱水状態なのに水分補給をしないまま様子を見る
🧑⚕️ 受診を検討したいケース
- 立ちくらみで転倒した・転倒しそうになった
- 服薬が変わった後から立ちくらみが始まった
- 脱水・下痢・発熱後から立ちくらみが続いている
脱水による立ちくらみ
夏・下痢・発熱・食欲低下などで水分が不足すると、血液量が減り、血圧が下がりやすくなります。特に急に立ち上がったときに血圧が下がる「起立性低血圧」が起きやすくなります。
高齢者は口渇感が低下しているため、気づかないうちに脱水が進んでいることがあります。食事が取れていない・下痢が続いている・屋外での活動が多かった場合は、脱水を疑って水分補給を意識してください。ただし、心疾患や腎機能低下で水分・塩分制限を受けている方は、自己判断で大量に飲まず、かかりつけ医や薬剤師に確認してください。
薬剤性立ちくらみの主な原因薬
服薬中の薬が立ちくらみの原因になっていることがあります。代表的な薬を整理します。
降圧薬(血圧を下げる薬)
Ca拮抗薬・ACE阻害薬・ARB・β遮断薬などの降圧薬では、薬の種類や量・体調によって血圧が下がりすぎることがあります。特に薬の変更後・増量後・脱水時は注意が必要です。
特に朝起きたとき・食後・入浴後・排便後など、血圧が変動しやすいタイミングに注意が必要です。
利尿薬
尿量を増やす薬のため、脱水になりやすい状態になります。脱水による血圧低下→立ちくらみにつながることがあります。夏場・下痢・発熱時は特に脱水が進みやすいため注意が必要です。
睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジアゼピン系など)
筋肉の緊張を緩める作用があり、起き上がりや歩行時のふらつき・転倒リスクが上がります。高齢者では特に注意が必要です。
抗ヒスタミン薬(花粉症薬・かゆみ止めなど)
眠気・ふらつきが出ることがあります。市販の花粉症薬・かゆみ止めに含まれている成分でも同様のリスクがあります。
自己判断で薬を中止しないことが重要

立ちくらみが薬の影響かもしれないと感じても、自己判断で薬を中止しないでください。
降圧薬・利尿薬・心疾患の治療薬などを急にやめると、血圧が急上昇したり、心不全が悪化したりするなど、かえって危険な場合があります。
「この薬のせいではないか」と感じた場合は、お薬手帳を持ってかかりつけ医または薬剤師に相談してください。薬の種類・量・タイミングの調整で改善することがあります。
転倒リスクへの注意
立ちくらみは転倒・骨折の直接的な原因になります。高齢者の転倒は骨折→寝たきり→全身機能の低下につながるため、立ちくらみの予防と対策が特に重要です。
日常の対処法
- 急に立ち上がらず、ゆっくり段階的に体を起こす
- 朝起き上がるときは、まずベッドの端に座ってから立つ
- 手すりを活用する
- 室内の段差・スリッパの滑りに注意する
- 脱水を防ぐため、こまめな水分補給を習慣にする
- 入浴後・食後は特にゆっくり動く
市販薬を選ぶときの注意点
市販のかぜ薬・花粉症薬・かゆみ止め・睡眠改善薬には、眠気やふらつきにつながる成分が含まれることがあります。立ちくらみやふらつきがあるときは、自己判断で追加せず、お薬手帳を持って薬剤師に相談してください。
かかりつけ医への相談ポイント
次の場合はかかりつけ医または薬剤師への相談が適切です。
- 最近薬が変わった・増えた後から立ちくらみが始まった
- 立ちくらみで転倒しそうになった・転倒した
- 夏場・下痢・発熱後から症状が続いている
- 複数の薬を服用しており、どれが原因か分からない
受診を考えるライン
- 突然の激しいめまい・ろれつが回らない・片側の麻痺(すぐ救急)
- 転倒して頭を打った(すぐ受診)
- 立ちくらみで転倒しそうになった
- 服薬が変わった後から症状が始まった
- 立ちくらみが数日以上続いている、回数が増えている、または悪化している
ドラッグストアでよく聞かれる相談

相談:「降圧薬を飲んでいる父が最近立ちくらみが増えた。何か市販薬を買えばいいか」
迷い:薬のせいかもしれないが、自己判断でやめていいか分からない
結論:降圧薬による起立性低血圧が原因の可能性がある。自己判断で薬を中止しないことが重要。お薬手帳を持って薬剤師またはかかりつけ医に相談することが適切。急に立ち上がらない・ゆっくり体を起こすなどの行動改善も合わせて行う。転倒しそうになった場合は早めに受診を検討する
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この記事の根拠
1. Beers Criteria 2023(米国老年医学会 高齢者に不適切な薬剤リスト) ベンゾジアゼピン系薬は高齢者で認知機能低下・せん妄・転倒・骨折などのリスクがあるとされています。また、第一世代抗ヒスタミン薬は抗コリン作用などにより、高齢者では眠気・混乱・転倒のリスクが高まるとされています。
参照:American Geriatrics Society Beers Criteria 2023
2. 厚生労働省 熱中症対策 利尿薬など一部の薬は脱水を引き起こしやすく、熱中症・立ちくらみのリスクを高める可能性があるとされています。
3. PMDA 一般用医薬品 添付文書 抗ヒスタミン成分を含む一般用医薬品では、製品ごとの添付文書で眠気・ふらつき・持病や服薬中の薬に関する相談事項などが記載されています。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

