市販の便秘薬の成分欄に「酸化マグネシウム」と書いてある製品があります。「高齢者にやさしい」と紹介されることが多い成分ですが、腎機能が低い方では注意が必要です。
酸化マグネシウムとは
酸化マグネシウムとは、腸内に水分を引き寄せて便を柔らかくし、排便を促す成分です。腸を直接刺激しないため、刺激性下剤(センナ・ビサコジルなど)と比べて腹痛や習慣化のリスクが低いとされています。
塩類下剤(非刺激性下剤)に分類されます。
酸化マグネシウムの特徴
刺激性下剤と比べた特徴
| 酸化マグネシウム | 刺激性下剤(センナ等) | |
|---|---|---|
| 腸への刺激 | 少ない | 強い |
| 腹痛のリスク | 比較的低い | 出やすい |
| 習慣化のリスク | 低い | 長期使用で起きやすい |
| 腎機能への影響 | 注意が必要 | 直接の蓄積リスクはない |
高齢者・腎機能が低い方で注意が必要な理由
酸化マグネシウムを服用すると、腸でマグネシウムの一部が吸収され、腎臓から排泄されます。腎機能が低下していると、マグネシウムの排泄が遅くなり、血液中に蓄積する恐れがあります(高マグネシウム血症)。
PMDAの安全性情報では、腎障害がある方、高齢者、長期投与では高マグネシウム血症に注意が必要であり、使用は必要最小限にとどめること、高齢者や長期使用では定期的な確認が必要になる場合があることが示されています。
高マグネシウム血症の初期症状
次の症状が現れた場合は、服用を中止して医療機関を受診してください。
- 吐き気・嘔吐
- 血圧低下
- 徐脈(脈が遅くなる)
- 筋力低下・脱力感
- 傾眠(強い眠気)
酸化マグネシウムに特に注意が必要な人
- 腎機能が低い方・透析を受けている方:マグネシウムが蓄積する恐れがある
- 高齢者全般:腎機能が低下していることが多く、影響が出やすい
- 長期で使用している方:血清マグネシウム値の確認が必要になる場合がある
- 複数の薬を服用中の方:一部の抗菌薬・骨粗しょう症の薬との飲み合わせに注意が必要
外箱で確認する場所は2つだけ
- 「有効成分」欄:酸化マグネシウムが含まれているか確認する
- 「相談すること」欄:腎臓病に関する記載があるか確認する
これらの記載がある製品は、購入前に薬剤師へ相談してください。
ドラッグストアでよく聞かれる相談
相談:「酸化マグネシウムは高齢者にやさしいと聞いたが、腎臓が悪くても使っていいか」 迷い:やさしい成分と思っていたが、腎臓への影響が心配 結論:腎機能が低い方では酸化マグネシウムでも高マグネシウム血症の恐れがある。腎機能の状態を薬剤師に伝えてから相談するのが基本
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この記事の根拠
1. PMDA 医薬品安全性情報 酸化マグネシウムを含む製剤については、腎障害、高齢者、長期投与では高マグネシウム血症に注意が必要であり、可能な限り最小限の使用にとどめること、吐き気、嘔吐、血圧低下、徐脈、筋力低下、傾眠などの初期症状が現れた場合は中止して受診することが示されています。
2. PMDA 一般用医薬品 添付文書 酸化マグネシウムを含む一般用医薬品の添付文書には、腎臓病がある方を相談対象とする記載があります。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

