この記事を読んでほしい人 高血圧の治療中で、鼻づまりがつらいので市販薬を選びたいと考えている方
冒頭3行結論
✅ 買うなら ステロイド配合の点鼻薬または抗ヒスタミン点鼻薬を優先する。内服が必要なら成分を確認してから選ぶ
❌ 避ける成分
外箱の「してはいけないこと」に高血圧の記載がある製品は避ける。「相談すること」に記載がある製品は購入前に薬剤師へ相談してください。
交感神経刺激系の鼻づまり成分(血圧を上げる恐れがある)
- プソイドエフェドリン(血圧を押し上げる恐れがある)
- dl-メチルエフェドリン(血圧に影響する恐れがある)
- フェニレフリン(血圧を上げる恐れがある)
血管収縮系の点鼻薬(連用で注意)
- オキシメタゾリン(連続使用で薬剤性鼻炎になる恐れがある)
- ナファゾリン(同上)
🧑⚕️ 相談
- 血圧のコントロールが不安定
- 降圧薬を複数飲んでいる
- 鼻づまりが2週間以上続いている
現場から|ドラッグストアでよく聞かれる相談

相談: 総合鼻炎薬を選んでいた方に声をかけると、「高血圧の薬を飲んでいるんですけど、鼻づまりがひどくて。これでいいですかね?」とのこと。
迷い: 花粉症の季節でもないのに鼻づまりだけがつらい。総合鼻炎薬なら何でも同じだと思っていた。外箱に「高血圧の方は相談」と書いてあっても、どれを選べばいいか分からない。
結論: 選んでいた総合鼻炎薬にプソイドエフェドリンが入っていたため、血圧を押し上げる恐れがあると説明。ステロイド点鼻薬を案内し、症状が続くようであれば耳鼻科への受診も勧めた。
高血圧の人が鼻づまり薬で注意すべき理由
鼻づまりを解消する市販薬の多くには、交感神経を刺激して鼻の血管を収縮させる成分が配合されています。この成分は鼻の通りをよくする一方で、全身の血管にも作用して血圧を押し上げる恐れがあります。
高血圧の治療中の方がこうした成分を摂ると、降圧薬で下げた血圧が再び上がりやすくなる恐れがあります。
花粉症薬との違いは「鼻づまり成分が主役」という点です。市販の総合鼻炎薬には、花粉症薬よりも積極的に鼻づまり成分が配合されているものが多く、高血圧の方は特に成分の確認が必要です。
まず確認する2点
- 今飲んでいる降圧薬の名前:薬袋・お薬手帳で確認する
- 血圧のコントロール状態:最近の血圧が安定しているかどうか
外箱で確認する場所は2つだけ

- 「してはいけないこと」欄:「高血圧の方」と書かれている製品は避ける
- 「相談すること」欄:「高血圧の方」と書かれている場合は薬剤師に確認する
成分名を確認したい場合は「有効成分」欄を見てください。後述の成分名が入っていないかチェックしてください。
注意が必要な成分と理由(一言解説)
交感神経刺激系の鼻づまり成分(内服薬)
市販の総合鼻炎薬・かぜ薬に配合されている鼻づまり成分です。鼻の血管を収縮させる作用と同時に、全身の血管にも影響して血圧を押し上げる恐れがあります。
- プソイドエフェドリン:総合鼻炎薬に最もよく使われる鼻づまり成分。外箱の「してはいけないこと」に高血圧の記載がある製品が多い
- dl-メチルエフェドリン:プソイドエフェドリンと同系の成分。かぜ薬・鼻炎薬の両方に使われる
- フェニレフリン:血管収縮作用を持つ成分。外箱の注意文言を確認してください
薬剤師メモ: 「鼻炎薬なら血圧に関係ないと思った」という方は少なくありません。抗ヒスタミン薬だけなら比較的影響が少ない傾向がありますが、鼻づまり専用・総合鼻炎薬にはプソイドエフェドリン等が入っていることが多く、外箱に「高血圧の方は服用しないこと」と明記されているものもあります。成分の確認が一番の近道です。
血管収縮系の点鼻薬(点鼻薬)
高血圧の方では、血管収縮系の点鼻薬よりまずステロイド配合の点鼻薬を優先してください。どうしても即効性が必要な場合は、使用前に薬剤師に相談してから選んでください。また連続使用で薬剤性鼻炎を起こす恐れがあるため、使用は数日を目安にしてください。
「漢方だから安全」は確認が必要です
葛根湯・麻黄湯・小青竜湯などマオウ(麻黄)を含む漢方薬にも「高血圧の方は相談すること」という記載があります。マオウに含まれるエフェドリン類には交感神経を刺激する作用があり、血圧を押し上げる恐れがあるとされています。購入前に薬剤師へ一声かけてください。
買うなら何を選ぶか
ステロイド配合の点鼻薬を優先する
鼻づまりへの市販薬ではステロイド配合の点鼻薬が最も選びやすい選択肢です。局所への作用が中心で、血管収縮成分を含まないため高血圧の方でも比較的使いやすい傾向があります。効果が出るまで数日かかることがありますが、連用できる安全性の高い選択肢です。
抗ヒスタミン点鼻薬も選択肢になる
アレルギー性鼻炎が原因の鼻づまりには抗ヒスタミン点鼻薬も選択肢です。局所作用が中心で、内服の総合鼻炎薬より全身への影響が小さい傾向があります。
内服薬が必要なときの選び方
どうしても内服薬が必要な場合は、抗ヒスタミン成分のみの製品(鼻づまり成分を含まないもの)を選ぶのが基本です。ただし鼻づまりに対しては抗ヒスタミン薬だけでは効果が出にくいこともあり、その場合は耳鼻科への受診を検討してください。
薬剤師に伝える3点セット

1. お薬手帳または薬袋
飲んでいる降圧薬の名前が確認できると、薬剤師が成分の影響を判断しやすくなります。
2. 最近の血圧の状態
「コントロールできている」「最近少し高め」など、主治医から言われている状態を教えてください。
3. 鼻づまりの続いている期間
2週間以上続いている場合は市販薬での対応より耳鼻科受診が適している可能性があります。
よくある質問
Q. 点鼻薬なら血圧に影響しないのか?
血管収縮系の点鼻薬(オキシメタゾリン等)は局所作用が中心ですが、高血圧の方は念のため薬剤師に確認してから使うことをおすすめします。ステロイド点鼻薬は血管収縮成分を含まないため比較的選びやすい選択肢です。
Q. 鼻づまり成分が入っていない総合鼻炎薬はあるのか?
あります。鼻づまり成分を含まない内服薬や、鼻づまりにはステロイド点鼻薬が選択肢になります。外箱の「有効成分」欄でプソイドエフェドリン・dl-メチルエフェドリンが入っていないことを確認してください。
Q. 鼻づまりが2週間以上続いている場合はどうする?
市販薬で対応できる範囲を超えている可能性があります。耳鼻科を受診して原因を確認してもらうことをおすすめします。
受診・相談の目安
市販薬を使って気になる症状が出た場合
- 血圧が普段より高くなった
- 動悸・頭痛が出た
- めまい・ふらつきが強い
鼻づまりが改善しない場合
市販薬を1〜2週間使っても改善しない場合、または2週間以上症状が続いている場合は耳鼻科への受診を検討してください。
まとめ:棚前で使える判断フロー
鼻づまりの症状を確認する
├── アレルギー性・花粉症由来 → ステロイド点鼻薬または抗ヒスタミン点鼻薬
└── 風邪由来・原因不明 → 薬剤師に相談
内服薬を選ぶ場合
└── 外箱「有効成分」欄で確認
├── プソイドエフェドリン含む → 選ばない
├── dl-メチルエフェドリン含む → 選ばない
└── 抗ヒスタミン成分のみ → 薬剤師に確認して選ぶ
2週間以上続いている
└── 耳鼻科への受診を検討する
関連記事
- 高血圧の薬を飲んでいる人の花粉症薬|避けたい成分と選び方
- 前立腺肥大がある人の鼻づまり薬|排尿が悪化しやすい成分
- 心疾患がある人の鼻づまり薬|動悸が出やすい成分と注意点
- 【成分辞書】プソイドエフェドリンとは|血圧・排尿への影響
この記事の根拠
1. PMDA 一般用医薬品 添付文書(プソイドエフェドリン配合製品) プソイドエフェドリンを含む市販薬の添付文書には、「してはいけないこと」の欄に高血圧の方への注意が記載されています。本記事の「避ける成分」はこの記載に基づいています。
参照:PMDA 添付文書(プソイドエフェドリン配合 OTC 製品)
2. 厚生労働省「かぜ薬等の添付文書等に記載する使用上の注意」 交感神経刺激成分を含む製剤には「高血圧」を「してはいけないこと」または「相談すること」に記載する旨が定められています。外箱の注意文言はこの通知に基づいています。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

