シングリックスとビケンは何が違う?帯状疱疹ワクチン2種類の特徴と選び方を薬剤師が解説

60〜70代の高齢者が医師と向き合って帯状疱疹ワクチン2種類の違いについて説明を受けながらどちらを選ぶか相談している全身のイラスト 持病がある方の市販薬選び

この記事を読んでほしい人

帯状疱疹ワクチンの定期接種を検討していて、シングリックスとビケンのどちらを選べばよいか知りたい方、またはそのご家族


冒頭3行結論

基本の考え方 どちらが合うかは年齢・持病・費用・副反応の考え方によって変わります。70歳以上の方や予防効果の持続を重視する方では、シングリックスが選択肢になりやすい一方で、費用・副反応・接種回数も踏まえて医師と相談して決めることが重要です。

避けたいこと

  • 接種途中でシングリックスからビケン、またはビケンからシングリックスに切り替える(原則として同じ種類で完了します)
  • 免疫抑制薬・ステロイド・抗がん剤を使用中の方が自己判断でビケンを選ぶ

🧑‍⚕️ 接種前に確認したいケース

  • 免疫抑制薬・ステロイド・抗がん剤を使用中の方
  • 抗凝固薬(ワーファリン・DOACなど)を服用中の方

ビケン(生ワクチン)の特徴

基本情報

  • 種類:乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン)
  • 接種回数:1回
  • 接種方法:皮下注射
  • 費用(定期接種時):自治体によって異なる(例:札幌市では約4,500円)

帯状疱疹に対する効果 厚労省の情報では、接種後1年時点で6割程度、5年時点で4割程度の予防効果が示されています。

副反応 接種部位の赤み・腫れ・かゆみなど。まれにアナフィラキシー・血小板減少性紫斑病・無菌性髄膜炎などが報告されています。

接種できない・注意が必要な方

  • 免疫不全・免疫抑制治療中の方(接種できない場合があります)
  • 妊娠中の方
  • ガンマグロブリン製剤の注射を受けた方(一定期間後に接種)

シングリックス(組換えワクチン)の特徴

基本情報

  • 種類:乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(組換えワクチン・不活化)
  • 接種回数:2回(通常2〜6か月間隔)
  • 接種方法:筋肉内注射
  • 費用(定期接種時):自治体によって異なる(例:札幌市では1回約10,800円・2回で約21,600円)

帯状疱疹に対する効果 厚労省の情報では、接種後1年時点で9割以上、5年時点で9割程度、10年時点で7割程度の予防効果が示されています。

副反応 接種部位の痛み・腫れ・赤みが比較的よくみられます。全身症状として発熱・倦怠感・頭痛も出やすいとされており、ビケンより副反応の頻度が高い傾向があります。まれにショック・アナフィラキシー・ギラン・バレー症候群などが報告されています。

接種できない・注意が必要な方

  • 抗凝固薬服用中の方:筋肉注射のため接種部位の出血・内出血に注意。接種前に医師へ伝える
  • 免疫不全・免疫抑制治療中の方:医師判断で検討される(接種間隔の短縮が検討される場合があります)
  • 過去にワクチン成分で強いアレルギー反応が出た方

2種類の比較

50代の家族と70代の高齢者が並んで帯状疱疹ワクチン2種類の比較資料を確認しどちらが自分に合っているか考えている様子のアップイラスト
ビケンシングリックス
種類生ワクチン組換えワクチン(不活化)
接種回数1回2回
接種方法皮下注射筋肉内注射
帯状疱疹に対する効果接種後1年で6割程度、5年で4割程度接種後1年で9割以上、5年で9割程度、10年で7割程度
副反応の頻度比較的少ない比較的多い
免疫不全・免疫抑制治療中接種できない場合がある医師判断で検討される
費用(目安)低め(1回)高め(2回分)

※費用は自治体によって異なります。


年齢・状態別の選び方の考え方

65〜69歳で免疫が気になる方

シングリックスは70歳以上でも予防効果が示されており、効果の持続を重視する方では選択肢になりやすいです。費用・副反応の考え方も含めて医師と相談してください。

70歳以上の方

70歳以上の方や予防効果の持続を重視する方では、シングリックスが選択肢になりやすい一方で、費用や副反応の考え方も含めて医師と相談することが重要です。

免疫抑制薬・ステロイド・抗がん剤を使用中の方

生ワクチン(ビケン)は接種できない場合があります。シングリックスは医師判断で検討されますが、治療状況によって接種可否・タイミングが変わるため、必ず主治医に相談してください。

費用を抑えたい方

ビケンは1回接種で費用が低く抑えられます。ただし定期接種の自己負担額は自治体ごとに異なるため、お住まいの自治体の案内を確認してください。


定期接種の費用補助について

2025年度から定期接種の対象者は、自治体の費用補助を受けながら接種できます。自己負担額・助成額・実施医療機関は自治体によって異なります。市区町村の案内またはかかりつけ医・薬局にご確認ください。

1回目を任意接種で受けている場合の2回目の扱いは自治体によって異なります。定期接種として扱えるかどうかは、市区町村に確認してください。


薬剤師への相談3点セット

60〜70代の高齢者の背後から白衣の薬剤師がお薬手帳を確認しながらシングリックスかビケンか帯状疱疹ワクチンの選び方を丁寧にアドバイスしている様子のイラスト
  1. 現在の年齢と健康状態(免疫抑制治療中か・持病の有無)
  2. 服用中の薬の名前(お薬手帳があれば持参。特に抗凝固薬・免疫抑制薬)
  3. 費用・接種スケジュールの希望(1回で済ませたいか・費用を重視するか)

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この記事の根拠

1. 厚生労働省 帯状疱疹ワクチン(定期接種) 定期接種の対象者・ワクチンの種類・接種方法・費用補助について案内されています。

参照:厚生労働省 帯状疱疹ワクチン

2. 厚生労働省 第65回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(2024年12月18日) ビケン・シングリックスの発症予防効果・接種方法・免疫不全者への対応について詳細が示されています。

参照:厚生労働省 審議会資料(PDF)


この記事は薬剤師が執筆・監修しています。接種の可否・ワクチンの選択については、かかりつけ医または薬剤師にご相談ください。

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