この記事を読んでほしい人
湿布・貼り薬・飲み薬を使用中で、日焼けや紫外線に注意が必要か分からない方、またはそのご家族
冒頭3行結論
✅ 知っておきたい基本 薬の中には、紫外線に当たると皮膚症状が起きやすくなるものがあります。特に湿布(ケトプロフェン含有)は、使用中・使用後しばらく日光に当たらないことが重要です。
❌ 避けたい思い込み
- 「貼り薬だから飲み薬より安全」:外用薬でも光線過敏症が起きることがある
- 「剥がしたから大丈夫」:剥がした後も4週間程度は注意が必要
- 「曇りだから大丈夫」:UV-Aは曇りの日や窓ガラス越しでも通過する
🧑⚕️ 受診が必要なケース
- 湿布を貼っていた部位に強いかゆみ・赤み・水ぶくれが出た
- 皮膚症状が湿布を貼っていた部位を超えて広がっている
光線過敏症とは
光線過敏症とは、薬を使用中に日光(紫外線)を浴びることで、皮膚に炎症・かゆみ・赤み・水ぶくれなどの症状が起きる副作用のことです。
大きく2種類あります。
光接触皮膚炎(外用薬が原因) 湿布などの貼り薬・塗り薬を使っている部位に紫外線が当たることで、その部位だけに炎症が起きます。テープ剤の形通りに赤みや水ぶくれが出るのが特徴です。
光線過敏型薬疹(内服薬が原因) 飲み薬の成分が体内に吸収された状態で日光を浴びることで、広い範囲で皮膚症状が出ることがあります。
特に注意が必要な薬

ケトプロフェン含有の外用薬(湿布・塗り薬)
最も注意が必要な薬です。
ケトプロフェンを含む湿布(モーラステープ®など)・ゲル・クリームは、PMDAの安全性情報でも重篤な光線過敏症の副作用報告が集積しており、添付文書の「重大な副作用」に記載されています。
特に注意が必要な点
- 使用中だけでなく、剥がした後も4週間程度は貼っていた部位を日光に当てないようにする(多くは使用中〜剥がして1週間以内に発症するが、3〜4週間後に症状が出た症例も報告されている)
- UV-Aは曇りの日や窓ガラス越しでも届くため、室内・車内でも遮光が必要な場合がある
- 5〜8月の紫外線が強い時期は特に注意が必要
その他の外用消炎鎮痛薬
ケトプロフェン以外の外用消炎鎮痛薬でも注意が必要な場合があるため、使用中の成分名を薬剤師に確認することが適切です。
日焼け止めを使うときの注意点
ケトプロフェン外用薬を使用中・使用後の方が日焼け止めを選ぶ際は、成分に注意が必要です。
避けた方がいい成分 オクトクリレンなど一部の紫外線吸収剤は、ケトプロフェンと化学構造が似ているため、交叉反応によって皮膚症状が起きることがあると報告されています。
おすすめの選び方 ケトプロフェン外用薬を使用中・使用後の方は、まず遮光を優先し、日焼け止めを使う場合は「紫外線吸収剤不使用」と表示された製品が選択肢になります。
遮光のポイント
日焼け止めだけでなく、衣類や帽子・日傘による物理的な遮光が効果的です。
- 貼った部位・塗った部位は長袖・サポーターなどで覆う
- 帽子・日傘を活用する
- 濃い色・厚い素材の衣類の方が遮光効果が高い
- 曇りの日・窓越しでもUV-Aは通過するため、屋外だけでなく室内・車内でも注意する
薬剤師への相談3点セット

日焼け止めや紫外線対策について薬剤師に相談するとき、次の3点を伝えると適切なアドバイスを受けやすくなります。
- 使用中の湿布・外用薬の名前(お薬手帳があれば持参)
- 内服薬の一覧(特に消炎鎮痛薬・抗菌薬・利尿薬)
- 皮膚症状が出た場合はその部位・症状の内容
受診を考えるライン
次のいずれかに当てはまる場合は、早めに皮膚科への受診が適切です。
- 湿布を貼っていた部位に強いかゆみ・赤み・水ぶくれが出た
- 皮膚症状が貼っていた部位を超えて広がっている
- 薬の使用をやめても皮膚症状が治まらない
- 発熱・倦怠感を伴う皮膚症状がある
ドラッグストアでよく聞かれる相談
相談:「父が腰痛で湿布を貼っているが、これから庭仕事が増える。日焼け対策は何かいるか」
迷い:湿布と紫外線の関係を知らなかった。何をすればいいか
結論:ケトプロフェン含有の湿布を使用中・使用後は、貼っていた部位を日光に当てないことが重要。長袖やサポーターで覆い、日焼け止めは「紫外線吸収剤不使用」タイプが選択肢になりやすい。剥がした後も数日〜数週間は注意が必要な場合があるため、今使用中の湿布の成分を薬剤師に確認するとよい
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この記事の根拠
1. PMDA 医薬品・医療機器等安全性情報 No.276(2011年1月) 国内においてケトプロフェン外用剤による重篤な光線過敏症の副作用報告が集積したことから、添付文書の「重大な副作用」等への注意喚起が追記されました。使用終了後も数日〜数週間は日光を避けることが重要とされています。
2. PMDA 医薬品・医療機器等安全性情報 No.173 ケトプロフェン外用剤について、使用後数日〜数ヶ月を経過してから光線過敏症等の副作用を発現した症例や、症状が全身に拡大し重篤化した症例が報告されているとして、一層の注意喚起が行われました。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

