この記事を読んでほしい人
虫刺されの症状が強くて市販薬で様子を見ていいか迷っている方、または高齢の家族の虫刺されが心配で受診を検討している方
冒頭3行結論
✅ 市販薬で様子を見ていい場合 かゆみや軽い赤みのみで、全身症状がなく、症状が1か所に限られている場合。
❌ 市販薬で引っ張ってはいけない場合
- 大きく腫れている・化膿している・発熱がある
- 全身のじんましん・息苦しさ・唇やのどの腫れ・めまいがある(アナフィラキシー疑いのためすぐ救急)
- マダニに刺された可能性がある
🧑⚕️ 特に早めの受診が必要なケース
- ハチに刺された(特に過去にハチに刺されたことがある方)
- マダニが皮膚に付着している・刺された可能性がある
- 虫刺され後に発熱・頭痛・倦怠感が続く
市販薬で対応できる範囲とそうでない範囲
市販薬で対応しやすい場合
- 蚊・アブなどによる局所のかゆみ・赤み
- 刺された箇所が1〜数か所で腫れが軽度
- 全身症状がない
- 数日で改善傾向がある
この場合は、かゆみのみであれば抗ヒスタミン外用薬、赤みや腫れがあれば外用ステロイドまたは配合タイプを使い、5〜6日程度様子を見てください。
市販薬では対応が難しい場合
- 刺された箇所が大きく腫れている(手のひらサイズ以上)
- 化膿している・ジュクジュクしている
- 発熱・頭痛・倦怠感がある
- 1週間以上改善しない
すぐ救急が必要なサイン(アナフィラキシー)

次のいずれかがあれば、すぐに救急(119番)を呼んでください。
- 全身のじんましん・皮膚が赤くなる
- 唇・舌・のどが腫れる
- 息苦しい・喉がしまる感じがある
- めまい・意識がもうろうとする
- 顔色が悪い・血圧が下がる
アナフィラキシーはハチ刺されで起きやすいですが、蚊やアリでも起きることがあります。特に過去に虫刺されで全身症状が出たことがある方は、症状が出たらすぐに行動してください。
ハチに刺されたとき
ハチに刺された場合は、全身症状の有無をよく確認してください。過去にハチ刺されで強い症状が出たことがある方、複数箇所を刺された方、息苦しさやじんましんがある方は早めの受診が必要です。
特に注意が必要な場合
- 過去にハチに刺されたことがある方:2回目以降の刺傷でアナフィラキシーが起きやすくなる恐れがある
- 複数か所刺された場合:毒の量が多くなり全身への影響が出やすい
刺された部位はすぐに流水で洗い、針が残っている場合は引き抜かず、カードなどで横から払うようにして取り除いてください。その後すぐに医療機関を受診してください。
マダニに刺されたとき
マダニは春〜秋にかけて活動が盛んになります。野山・草むら・ペットの散歩コースなどで刺されることがあります。
マダニの特徴
- 皮膚に吸着したまま数日〜1週間程度離れないことがある
- 自己判断で無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮内に残ったり体液を逆流させる恐れがある
マダニに刺されたら
- 自己判断で取り除こうとしない
- 皮膚科などの医療機関で除去してもらう
- 刺咬後2〜3週間は体調変化(発熱・頭痛・倦怠感・発疹など)に注意する
厚生労働省は、マダニ刺咬後の発熱などの体調変化があれば速やかに医療機関を受診するよう案内しています。
大きく腫れている・化膿している場合
虫刺されの腫れが大きい場合や化膿している場合は、市販薬の範囲を超えていることがあります。
- 腫れが広範囲に広がっている
- 腫れた場所が硬くなっている・熱を持っている
- 傷がジュクジュクして悪化している
- 発熱を伴っている
これらのサインがある場合は、感染(蜂窩織炎など)が起きている可能性があるため、早めに皮膚科または内科を受診してください。
受診を考えるライン(まとめ)

| 症状 | 対応 |
|---|---|
| 軽いかゆみ・赤み | 市販薬で5〜6日様子を見る |
| 赤み・腫れが強い | 外用ステロイドで対応、改善しなければ受診 |
| 化膿・広範囲の腫れ・発熱 | 早めに受診 |
| ハチに刺された | 早めに受診(過去に刺されたことがある方はすぐ受診) |
| マダニに刺された可能性 | 自己判断で取らず医療機関へ |
| アナフィラキシーのサイン | すぐ救急(119番) |
ドラッグストアでよく聞かれる相談
相談:「父がキャンプで虫に刺されて帰ってきた。腕が少し腫れているが発熱はない。受診した方がいいか」
迷い:様子を見ていいのか、受診すべきか判断できない
結論:発熱・全身症状がなく、腫れが軽度であれば、まず外用ステロイドで5〜6日程度様子を見てよい場合がある。ただし腫れが広がる・発熱が出る・マダニの可能性がある場合は受診を優先する。不安な場合は薬剤師に相談するとよい
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この記事の根拠
1. 厚生労働省 マダニ対策について マダニに吸着された場合は、無理に引き抜こうとせず、皮膚科などの医療機関で処置を受けるよう案内されています。刺咬後に発熱などの体調変化があれば速やかに受診することが重要です。
2. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「虫刺され」 虫刺されの治療は、軽症であれば市販のかゆみ止め外用薬でよいが、赤みやかゆみが強い場合は外用ステロイドが必要とされています。症状が強い場合は皮膚科専門医の受診が勧められています。
3. PMDA 一般用医薬品 添付文書 外用ステロイドを含む一般用医薬品の添付文書には、5〜6日間使用しても症状がよくならない場合は中止して相談することが記載されています。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

