この記事を読んでほしい人 高齢の親に花粉症薬を選んであげたいが、眠気やふらつきによる転倒が心配な方
冒頭3行結論
✅ 買うなら 「眠気が少ない」と表記された第二世代抗ヒスタミン薬を選ぶ。鼻症状は点鼻薬、目のかゆみは点眼薬を優先する
❌ 避ける成分
外箱に「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」の記載がある内服薬は、眠気が出る可能性があるため、高齢の親には避けるか、購入前に薬剤師へ相談してください。
眠気・ふらつきが出やすい第一世代抗ヒスタミン
- d-クロルフェニラミン(眠気・ふらつきが出やすい)
- ジフェンヒドラミン(強い眠気が出る恐れがある)
- クレマスチン(眠気・倦怠感が出やすい)
🧑⚕️ 特に相談
- 眠剤・抗不安薬をすでに飲んでいる
- 夜間にトイレで起きることが多い
- 過去に薬で強い眠気・ふらつきが出たことがある
現場から|ドラッグストアでよく聞かれる相談
相談: 「父が花粉症がひどいんですが、足元がおぼつかなくて。夜中にトイレに起きることも多いので、薬を飲んでふらついて転んだら困るんです」
迷い: 「眠気が少ない」と書いてある薬とそうでない薬の違いが分からない。何を選べばいいか見当がつかない。
結論: 第一世代抗ヒスタミンは翌朝まで眠気が残りやすく、夜間のトイレ時の転倒リスクになる恐れがある。「眠気が少ない」と表記された第二世代を選ぶか、まず点眼・点鼻薬から始めてもらうよう案内した。眠剤など他に眠気が出やすい薬を飲んでいないかも合わせて確認した。
高齢者の花粉症薬と転倒リスク
高齢者にとって転倒は骨折・寝たきりにつながる深刻なリスクです。花粉症薬の中でも、第一世代抗ヒスタミン薬は眠気・ふらつき・平衡感覚への影響が出やすく、特に夜間のトイレや朝の起き上がり時に注意が必要です。
現場で最も気をつけているのは2点です。
- 第一世代抗ヒスタミンを使っているか
- 眠剤・抗不安薬との併用があるか
どちらかに当てはまる場合は、眠気が重なって出やすくなる恐れがあります。
まず確認する3点
- 夜間の状況:夜間にトイレで起きることが多いか
- 服用中の薬:眠剤・抗不安薬・睡眠改善薬など眠気が出やすい薬を飲んでいないか
- 過去の経験:花粉症薬や市販薬で強い眠気・ふらつきが出たことがあるか
外箱で確認する場所は2つだけ

- 「してはいけないこと」欄:「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」の記載がある製品は眠気が出やすい。高齢の親には避けるか薬剤師に相談する
- 「相談すること」欄:以下の記載がある場合は薬剤師に確認する
- 服用中の薬がある人
- 治療中の病気がある人
- 高齢者に当てはまる注意
「眠気が少ない」「ノンドロウジー」と書かれた製品を選ぶのが棚前での最も分かりやすい判断基準です。
避けるべき成分と理由
第一世代抗ヒスタミン:翌朝まで眠気が残りやすい
第一世代は脳の血液関門を通過しやすく、中枢神経に影響して眠気・ふらつきが出やすい成分です。高齢者では代謝・排泄が遅くなるため、翌朝まで眠気が持ち越される恐れがあります。
- d-クロルフェニラミン(眠気・ふらつきが出やすい)
- ジフェンヒドラミン(強い眠気が出る恐れがある)
- クレマスチン(眠気・倦怠感が出やすい)
薬剤師メモ: 「昨日飲んだ薬のせいか、朝からボーっとして」という相談が花粉症シーズンになるとあります。夜に飲んだ第一世代の影響が翌朝まで残っているケースです。夜間のトイレ時や朝の動き始めに影響が出やすいので注意が必要です。
眠剤・抗不安薬との併用:眠気が重なる恐れがある
花粉症薬単体では問題なくても、眠剤や抗不安薬と組み合わせると眠気・ふらつきが重なる恐れがあります。お薬手帳を持参して、飲み合わせを薬剤師に確認してください。
「漢方だから安全」は確認が必要です
葛根湯・麻黄湯・小青竜湯などマオウ(麻黄)を含む漢方薬は、眠気は少ない一方でエフェドリン類による動悸・不眠・血圧上昇の恐れがあります。高齢者の場合は購入前に薬剤師へ一声かけてください。
買うなら何を選ぶか
点眼・点鼻薬を優先する
眠気のリスクを最小にしたい場合は、まず点眼・点鼻薬から始めるのが最も安全な選択です。
内服薬が必要なら第二世代を選ぶ
第二世代抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン、ロラタジン等を含む製品)を選ぶのが基本です。第一世代に比べて眠気が出にくい傾向がありますが、個人差があります。
薬剤師メモ(現場の経験から): 第二世代でも眠気の出やすさには個人差があります。眠気が特に心配な場合は、眠気が少ない表示の製品を優先し、薬剤師に確認してください。一方で「眠気が出にくい=効果が強い」ではないので、症状がひどい場合は処方薬への切り替えも選択肢です。
初めて飲む場合は、活動量が少ない時間帯に試し、眠気やふらつきが出ないか様子を見てください。
薬剤師に伝える3点セット

1. お薬手帳
眠剤・抗不安薬・睡眠改善薬など、眠気に影響しやすい薬が出ていないか確認できます。
2. 薬袋(くすりぶくろ)
お薬手帳がない場合でも、薬局でもらう袋に薬の名前が書いてあります。
3. 市販薬のリスト
すでに飲んでいる市販薬がある場合も持参してください。重複する成分がないか確認できます。
よくある質問
Q. 第二世代なら高齢者でも安心して使えるか?
第一世代よりは眠気が出にくい傾向がありますが、個人差があります。初めて飲む場合は活動量が少ない時間帯に試し、眠気やふらつきが出ないか様子を見てください。眠剤など他に眠気が出やすい薬を飲んでいる場合は必ず薬剤師に確認してください。
Q. 夜間のトイレが多い親に花粉症薬を使う場合の注意点は?
就寝前の第一世代服用は避けてください。夜間のトイレ時に眠気・ふらつきが残っている恐れがあります。内服薬が必要な場合は日中に第二世代を飲んでもらうのが安全です。
Q. 花粉症薬を飲んでいる間、どんな変化に気をつければいいか?
「いつもより眠い」「足元がふらつく」「ぼんやりする」などの変化が出た場合は、服用を中止して薬剤師に相談してください。
受診・相談の目安
- 強い眠気・ふらつきが続く場合は服用を中止して相談する
- 転倒した・転倒しそうになった場合はすぐに受診する
- 市販薬を1〜2週間使っても症状が改善しない場合は医療機関を受診する
- 眠剤など他に眠気が出やすい薬を飲んでいる場合は、購入前に必ず薬剤師に相談する
まとめ:棚前で使える判断フロー
症状を確認する
├── 目のかゆみだけ → アレルギー用点眼薬
├── 鼻水・鼻づまりだけ → 抗アレルギー点鼻薬
└── 両方ある → 点眼+点鼻を組み合わせる
内服薬が必要な場合
└── 外箱で確認
├── 「運転操作をしないこと」の記載あり → 避けるか薬剤師に相談
├── d-クロルフェニラミン・ジフェンヒドラミン含む → 避ける
└── 「眠気が少ない」表記あり → 第二世代か確認し、薬剤師に相談して選ぶ
眠剤・抗不安薬を飲んでいる場合
└── お薬手帳を持って必ず薬剤師に相談
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この記事の根拠
1. PMDA 一般用医薬品 添付文書(ジフェンヒドラミン配合製品) ジフェンヒドラミンを含む市販薬の添付文書には「してはいけないこと」に乗物・機械類の操作禁止、「相談すること」に高齢者への注意が記載されています。本記事の「避ける成分」はこの記載に基づいています。
参照:PMDA 添付文書(ジフェンヒドラミン配合 OTC 製品)
2. 厚生労働省「かぜ薬等の添付文書等に記載する使用上の注意」 抗ヒスタミン薬を含む製剤には眠気に関する注意および高齢者への相談を記載する旨が定められています。外箱の注意文言はこの通知に基づいています。
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

