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高齢の家族の頭痛に市販の頭痛薬を選んであげたい方、または高齢の方ご自身が市販の頭痛薬を使おうか迷っている方
冒頭3行結論
✅ 選ぶ前に確認したいこと 腎機能低下・胃腸障害・抗凝固薬服用など持病や服薬がある高齢者では、NSAIDsよりアセトアミノフェン単剤が候補になりやすい場面があります。ただし、持病や服薬によって注意点が変わるため、使用前に薬剤師へ確認することが適切です。
❌ 避けたい対応
- 「頭痛薬なら何でも同じ」と持病・服薬を確認せずに選ぶ
- 市販の頭痛薬を何日も続けて使い続ける(薬物乱用頭痛のリスク)
🧑⚕️ すぐ受診・救急が必要な頭痛のサイン
- 突然の激しい頭痛・今まで経験したことがない頭痛
- 手足のしびれ・脱力・ろれつが回らない
- 発熱・首の硬さ・意識がぼんやりする
- 頭を打った後の頭痛
市販の頭痛薬の主な種類
市販の頭痛薬には大きく3種類あります。
アセトアミノフェン単剤
タイレノール®Aなど、アセトアミノフェンのみを有効成分とする製品です。炎症を抑える作用は弱いですが、痛みや発熱を抑える効果があります。
注意点
- 肝機能が低下している方では注意が必要
- カゼ薬・解熱剤など、アセトアミノフェンを含む他の市販薬と重複して使わない
- ワーファリンを服用している方は連用・高用量でINRが上昇する可能性があるため、使用前に薬剤師か医師に確認する
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
イブプロフェン・ロキソプロフェン・アスピリンなどが含まれます。炎症を抑える効果があり、頭痛全般に広く使われています。
高齢者で注意が必要な点
- 腎機能が低下している方では腎機能への影響が懸念される
- 胃腸障害(胃潰瘍・消化管出血)のリスクがある
- 抗凝固薬・抗血小板薬を使用している方では出血リスクが上がる
腎機能低下・胃潰瘍・消化管出血歴がある方、抗凝固薬・抗血小板薬を使っている方では、NSAIDsは自己判断で選ばず薬剤師や医師に相談することが適切です。
複合成分タイプ
鎮痛成分にカフェインや鎮静成分が配合された製品です。カフェインは鎮痛成分の働きを補助する目的で配合されることがありますが、不眠・動悸・カフェイン摂取量の増加につながる場合があります。高齢者では、カフェインや鎮静成分を含まない単剤から考える方が選びやすい場面があります。
高齢者で頭痛薬を選ぶときに注意したいこと

アセトアミノフェン単剤が候補になりやすい場面
腎機能低下・胃腸への負担の観点から、NSAIDsよりアセトアミノフェン単剤が候補になりやすい場面があります。
ただし次の点に注意が必要です。
- アセトアミノフェンは「安全」ではなく「比較的選びやすい場面がある」という位置づけ
- 肝機能が低下している方では慎重に
- 他のアセトアミノフェン含有製品との重複服用は避ける
- ワーファリン服用者では連用・高用量に注意
NSAIDsを使う前に確認したいこと
腎機能が低い・胃潰瘍歴がある・抗凝固薬や抗血小板薬を使っているなど、持病・服薬がある場合は、自己判断でNSAIDsを選ばないことが重要です。薬剤師にお薬手帳を見せてから選ぶことが適切です。
台風・低気圧前後の頭痛への対応
台風前後や低気圧の日に頭痛を感じる方もいます。気圧変動が引き金の一つになるとされますが、水分不足・睡眠不足・肩こり・疲労などが重なって悪化することもあります。
市販薬を使う前に、まず水分補給・休息・室温管理を試してみることが適切です。市販薬を使う場合は、持病・服薬を確認してから選んでください。
注意:頭痛が「今まで経験したことのない激しさ」「突然起きた」という場合は、低気圧頭痛ではなく危険な頭痛の可能性があります。すぐに受診または救急を検討してください。
市販薬を何日も使い続けないことが重要
市販の頭痛薬を月に10〜15日以上、3か月を超えて使い続けると、薬が原因で頭痛が起きる「薬物乱用頭痛」につながることがあります。特に複合成分タイプや複数の鎮痛薬を使い分けている場合は注意が必要です。頭痛が繰り返す・市販薬がだんだん効かなくなってきた場合は、受診を検討してください。
受診を考えるライン
次のいずれかに当てはまる場合は、市販薬より先に受診または救急への相談が適切です。
- 突然の激しい頭痛・今まで経験したことがない頭痛(くも膜下出血疑い→すぐ救急)
- 手足のしびれ・脱力・ろれつが回らない(脳卒中疑い→すぐ救急)
- 発熱・首の硬さ・意識がぼんやりする(重い病気が隠れている可能性)
- 頭を打った後の頭痛
- 市販薬を使っても改善しない頭痛が数日続く、または市販薬を繰り返し使う状態が続いている
ドラッグストアでよく聞かれる相談

相談:「70代の父が台風前から頭痛が続いている。腎臓が悪いのだが頭痛薬を買っていっていいか」
迷い:腎臓が悪いからNSAIDsは使えないと聞いた。何を選べばいいか
結論:腎機能低下がある方では、NSAIDsよりアセトアミノフェン単剤が候補になりやすい。ただし使用中の薬(ワーファリンなど)をお薬手帳で確認し、薬剤師に相談してから選ぶことが適切。突然の激しい頭痛・いつもと違う頭痛がある場合は市販薬より先に受診を優先する
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この記事の根拠
1. 日本頭痛学会 頭痛の診療ガイドライン2021 突然の激しい頭痛・今まで経験したことのない頭痛・神経症状を伴う頭痛は二次性頭痛として早期に専門的評価が必要とされています。市販の頭痛薬を繰り返し使用することで薬物乱用頭痛に発展するリスクがあると示されています。
2. PMDA 一般用医薬品 添付文書 アセトアミノフェン単剤やNSAIDs含有の一般用医薬品では、製品ごとの添付文書で肝機能障害・腎機能障害・消化管出血歴・服薬中の薬などに関する相談事項が記載されています。購入前に添付文書や薬剤師への確認が重要です。
3. 厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル「消化性潰瘍」 NSAIDsでは、高齢・消化性潰瘍の既往・抗凝固薬や抗血小板薬の併用などが消化性潰瘍のリスク因子として示されています。高齢者や血液をサラサラにする薬を使っている方がNSAIDsを自己判断で選ばないよう説明する根拠として参照しています。
参照:厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル「消化性潰瘍」
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

