この記事を読んでほしい人
糖尿病の治療中、または免疫を抑える薬(ステロイド薬・免疫抑制薬など)を使用中で、あせもへの対処法を知りたい方、またはそのご家族
冒頭3行結論
✅ 基本の考え方 あせもがごく軽い場合は、まず汗をこまめに拭いて通気をよくすることが大切です。市販薬を使う前に、赤み・ジュクジュク・痛み・発熱がないかを確認してください。
❌ 自己判断を避けたい場合
- 赤みの拡大・痛み・熱感・ジュクジュク・発熱がある
- かき壊して皮膚が傷になっている
🧑⚕️ 早めの受診が必要なケース
- 赤みが広がっている・ジュクジュクしている・発熱がある
- 市販薬を使っても改善しない・悪化している
糖尿病がある方であせもが悪化しやすい理由
糖尿病がある方は、次の要因から皮膚トラブルが悪化しやすくなることがあります。
免疫力の低下 血糖値が高い状態が続くと、感染に対する抵抗力に影響することがあります。あせもをかいて皮膚に傷ができると、そこから細菌が入り込みやすくなることがあります。
感覚低下により発見が遅れることがある 糖尿病による神経障害がある方では、痛みや違和感に気づきにくい場合があります。特に背中やお尻など自分で見えにくい部位では、赤みやかき壊しの発見が遅れることがあります。
皮膚の回復力の低下 血流障害により、皮膚が傷ついたときの回復に時間がかかることがあります。
これらの要因が重なると、かき壊した部分から細菌感染を起こすことがあります。赤みが広がる、痛みや熱感がある、発熱がある場合は、皮膚の深い部分の感染も否定できないため、早めの受診が必要です。
免疫を抑える薬を使っている方への注意
ステロイド薬の飲み薬・注射薬、免疫抑制薬、生物学的製剤などを使っている方では、感染への抵抗力が低下していることがあります。
あせもが軽症に見えても悪化が速いことがあるため、症状の変化には早めに気づくことが重要です。少しでも皮膚の状態が気になる場合は、自己判断せず薬剤師または主治医に相談してください。
市販薬で対応できる範囲

ごく軽いあせも(かゆみが主で赤みが軽い状態)であれば、市販の抗ヒスタミン外用薬が選択肢になることがあります。赤みや炎症が目立つ場合は外用ステロイドが候補になることもありますが、糖尿病・免疫低下がある方では、傷・ジュクジュク・痛み・熱感がないかを確認したうえで、薬剤師に相談して選ぶ方が安全です。
ただし次の場合は市販薬で様子を見ず受診を優先してください。
- 赤みが周囲に広がっている
- 皮膚が傷になっている・ジュクジュクしている
- 痛み・熱感がある
- 発熱がある
- 市販薬(OTC外用ステロイドの場合は5〜6日)を使っても改善しない
日常の皮膚ケアのポイント
皮膚トラブルを予防するためには、あせもを悪化させない日常ケアが重要です。
汗をこまめに拭く 汗をかいたら濡れタオルで優しく押し拭きします。こするとかき壊しにつながるため、摩擦を最小限にしてください。
通気をよくする 綿素材・吸湿性のある衣類を選び、締め付けや蒸れを避けます。首まわり・わき・背中・お尻は特にたまりやすい部位です。
皮膚の状態を定期的に確認する 糖尿病による神経障害などで痛みや違和感に気づきにくい場合は、家族が定期的に首・背中・お尻などを確認するとよいです。
かかない 爪を短く切り、かき壊しを防いでください。
薬剤師への相談3点セット
- 糖尿病・免疫低下の状態(糖尿病の治療中か、免疫を抑える薬を使っているか、使用中の薬)
- あせもの症状の内容(かゆみのみか、赤み・ジュクジュク・痛みがあるか)
- できている部位(首・背中・お尻など)
受診を考えるライン
次のいずれかに当てはまる場合は、市販薬より先に皮膚科または主治医への受診が適切です。
- 赤みが周囲に広がっている・熱を持っている
- ジュクジュクしている・化膿している
- 痛みがある
- 発熱がある
- 市販薬を使っても数日で改善しない、またはOTC外用ステロイドを5〜6日使っても改善しない
ドラッグストアでよく聞かれる相談

相談:「糖尿病がある父の背中にあせもができた。市販薬を買っていっていいか」
迷い:糖尿病があるとすぐ受診すべきか。市販薬でも大丈夫か
結論:赤みが軽く、かゆみが主であれば、まず汗をこまめに拭いて通気をよくすることが先決。市販薬は補助的に使う選択肢がある。赤みが広がっている・ジュクジュクしている・痛み・発熱がある場合は市販薬より先に受診を優先する
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この記事の根拠
1. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「汗疹(あせも)」 あせもは汗の通り道がつまることで起こる皮膚疾患です。赤みやかゆみが強い場合、症状が続く場合は皮膚科への相談が選択肢になります。
2. PMDA 一般用医薬品 添付文書 外用ステロイドを含む一般用医薬品の添付文書には、5〜6日間使用しても症状がよくならない場合は中止して相談することが記載されています。
3. 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター「神経障害」 糖尿病による神経障害では、しびれや痛みを感じたり、感覚が低下したりすることがあります。本記事では、感覚低下により皮膚トラブルの発見が遅れる可能性を説明する根拠として参照しています。
参照:国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター 神経障害
この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

