高齢者に市販の目薬は使っていい?花粉症・乾き目・充血別の選び方と注意点を薬剤師が解説

70代の高齢者がドラッグストアの目薬売り場の棚の前でどれを選ぶか迷っている様子のイラスト 持病がある方の市販薬選び

この記事を読んでほしい人

高齢の家族に市販の目薬を選んであげたい方、または高齢の方ご自身が目のかゆみ・乾き・充血に市販薬を使おうか迷っている方


冒頭3行結論

買うなら 症状に合った種類を選ぶ。花粉症の目のかゆみには抗アレルギー点眼薬、乾き目には人工涙液・涙液補助タイプが候補になりやすい。

避けたい使い方

  • 充血除去目薬を毎日・長期に使い続ける(反跳性充血が起きやすくなる)
  • 緑内障がある方が自己判断で充血除去目薬を使う

🧑‍⚕️ 相談が特に必要なケース

  • 緑内障の治療中の方(種類によって注意が異なる)
  • 目の病気・手術歴がある方
  • 複数の目薬を使っている方

市販の目薬の種類と主な成分

市販の目薬は症状によって大きく3種類に分けられます。

抗アレルギー点眼薬

花粉症・アレルギーによる目のかゆみ・充血・涙に効果があります。

  • ケトチフェン
  • クロモグリク酸ナトリウム

花粉症シーズンに多く使われます。かゆみが主な症状であれば、まず抗アレルギー点眼薬が候補になります。

人工涙液・涙液補助タイプ

目の乾き・疲れ・使い過ぎに対応します。

  • 人工涙液タイプ(涙に近い成分を補うもの)
  • うるおい補助成分配合(コンドロイチン硫酸エステルナトリウムなど)

乾き目の補助として使いやすく、防腐剤が少ないタイプや無添加タイプもあります。コンタクト使用中の方には対応製品を選ぶ必要があります。

充血除去目薬

白目の充血を素早く取り除きます。

  • ナファゾリン
  • テトラヒドロゾリン

効果は出やすい一方で、長期・頻繁な使用には注意が必要です。


充血除去目薬の「使いすぎ」に注意

70代の高齢者が目のまわりを押さえながら目の充血やかゆみが続いて困っている様子のイラスト

充血除去目薬に含まれるナファゾリン・テトラヒドロゾリンは血管収縮薬です。点眼すると白目の血管が収縮して充血が取れますが、使いすぎると問題が起きやすくなります。

反跳性充血とは 血管収縮薬を使い続けると、薬の効果が切れたときに前より血管が拡張しやすくなります。「使わないと充血がひどくなる」という状態になると、使い続けなければならないサイクルに入る恐れがあります。

高齢者で特に注意が必要な理由 高齢者は目の調節力が低下しており、充血の原因がドライアイや緑内障など別の疾患である場合があります。充血除去目薬で一時的に充血を取っても根本原因が改善しないため、早めに眼科を受診した方がよいケースが少なくありません。

緑内障がある方は特に注意 緑内障がある方では、充血除去目薬の成分によっては症状に影響する恐れがあるため、自己判断を避けて薬剤師や眼科に確認してください。緑内障がある方の注意点は別記事で詳しく解説しています。


高齢者で特に注意が必要な人

  • 緑内障の治療中の方:成分によっては眼圧に影響する恐れがある
  • 目の病気・手術歴がある方:自己判断を避け眼科で確認する
  • 複数の目薬(処方薬)を使っている方:市販の目薬との間隔・順序に注意

受診を考えるライン

次のいずれかに当てはまる場合は、市販薬より先に眼科への相談が適切です。

  • 充血・かゆみが1週間以上続いている
  • 市販の目薬を使っても改善しない
  • 目やにが多い・黄色や緑色の目やにが出る
  • 視力の変化・かすみ・痛みがある
  • 緑内障の治療中で充血がある

ドラッグストアでよく聞かれる相談

70代の高齢者が薬局カウンターで白衣の薬剤師に目薬の選び方について相談している様子のイラスト

相談:「目が充血しやすくて、充血を取る目薬を毎日使っているが、最近効きが悪くなってきた気がする」

迷い:量を増やせばいいのか、別の目薬に変えるべきか

結論:充血除去目薬の毎日使用は反跳性充血が起きやすくなるサインの可能性がある。使用頻度を下げるか、まず眼科を受診して充血の原因を確認することが適切


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この記事の根拠

1. PMDA 一般用医薬品 添付文書 ナファゾリン・テトラヒドロゾリンなどの血管収縮薬を含む一般用医薬品の添付文書には、長期連用を避けること、緑内障がある方を相談対象とする記載があります。

参照:PMDA 添付文書検索(一般用医薬品)

2. 日本眼科学会 ドライアイ診療ガイドライン ドライアイの治療では、まず人工涙液による涙液補充が基本とされています。充血除去目薬で見た目の充血が一時的に改善しても、乾き目や目の病気など別の原因が隠れている場合は、根本的な改善につながらないことがあります。


この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

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