高齢者のあせもに市販薬は使っていい?塗り薬の選び方と悪化させないポイントを薬剤師が解説

50代の女性がドラッグストアのあせも薬売り場で高齢の親のために商品を選ぼうと迷っている全身のイラスト 皮膚ケア・紫外線対策

この記事を読んでほしい人

高齢の家族があせもで困っていて市販薬を使おうか迷っている方、または高齢の方ご自身があせもの対処法を知りたい方


冒頭3行結論

軽いあせもなら市販薬で対応できる場合がある まずは汗をこまめに拭き、通気をよくして、皮膚を清潔に保つことが基本です。かゆみが主で赤みが軽い場合は抗ヒスタミン外用薬、赤みや炎症が強い場合は外用ステロイドが候補になります。

避けたい対応

  • かいて悪化させる(かき壊しから感染につながる恐れがある)
  • ジュクジュクしている・赤みが広がっている状態で市販薬だけで様子を見続ける

🧑‍⚕️ 受診が必要なケース

  • ジュクジュクしている・化膿している
  • 赤みが広範囲に広がっている・発熱がある
  • 糖尿病がある方・免疫を抑える薬を使っている方で、赤みの拡大・痛み・熱感・ジュクジュクがある

高齢者にあせもが起きやすい理由

「あせもは子どものもの」と思われがちですが、高齢者にも起こることがあります。

皮膚のバリア機能の低下 加齢により皮膚の水分保持力が低下しやすく、汗や摩擦による刺激を受けやすくなることがあります。

汗や熱がこもりやすい生活環境 加齢や活動量の低下により、暑さや汗に気づきにくくなることがあります。汗をかいたまま過ごす時間が長くなると、首まわり・背中・お尻などにあせもが起きやすくなります。

通気が悪くなりやすい 寝たきり・活動量が低下している高齢者では、背中・お尻・首まわりなど皮膚が重なりやすい部位に汗がたまり、あせもができやすくなります。


あせもの種類と見分け方

水晶様汗疹

透明な小さな水ぶくれが皮膚の表面にできるタイプです。かゆみや炎症は少なく、数日で自然に改善することがあります。

紅色汗疹(いわゆる「あせも」)

赤いブツブツとかゆみが出るタイプです。最もよく見られるあせもで、市販薬の対象になりやすいのはこのタイプです。かいて悪化させないことが重要です。

深在性汗疹

汗腺が皮膚の深い部分でつまるタイプで、かゆみよりも不快感・熱感が主な症状です。高温多湿の環境で汗をかく状態が続いた場合などにみられることがありますが、温帯の日本ではまれとされています。一般的な軽いあせもとは異なり、自己判断での対処が難しいため、症状が続く場合は皮膚科への受診が適切です。


市販薬を使う前に確認したいこと

50代の家族が70代の高齢者の首まわりの汗を濡れタオルでやさしく押し拭きしてあせもをケアしている様子のアップイラスト

あせもは、汗をためない環境づくりだけで軽くなる場合があります。まずは汗を拭く・涼しい環境にする・通気性のよい衣類に変える・皮膚をこすらないように洗うことを優先してください。かゆみや赤みがつらい場合に、市販薬を補助的に使うと考えると選びやすくなります。


市販薬の選び方

かゆみが主で赤みが軽い場合

抗ヒスタミン外用薬(ジフェンヒドラミン系など) かゆみの原因であるヒスタミンの働きを抑えます。炎症が軽く、かゆみが主な症状であれば候補になります。

赤み・炎症が強い場合

外用ステロイド 皮膚が傷になっておらず、赤みや炎症が目立つ場合は、短期間の外用ステロイドが候補になることがあります。5〜6日程度を目安に使い、改善しない場合は中止して受診してください。

顔・首・わき・陰部など皮膚が薄く薬が吸収されやすい部位では、薬の強さや使用期間を薬剤師に確認してください。高齢者は皮膚が薄いため、長期・広範囲の使用は避けてください。

ジュクジュクしている・感染が疑われる場合

市販薬での対応を超えていることがあります。早めに皮膚科への受診が適切です。


悪化させないための日常ケア

汗をこまめに拭く 汗が皮膚に残ると、汗の通り道がつまりやすくなります。乾いたタオルでこするより、濡れタオルでやさしく押し拭きすると刺激を減らしやすくなります。

通気をよくする 首まわり・わき・背中・お尻などは汗がたまりやすい部位です。綿素材や吸湿性のある衣類を選び、締め付けや蒸れを避けましょう。

室温を管理する エアコンを活用して室温と湿度を管理することで、発汗量を抑えられます。

かかない かき壊しは悪化・感染の原因になります。爪を短く切ることも有効です。


受診を考えるライン

次のいずれかに当てはまる場合は、市販薬より先に皮膚科への受診が適切です。

  • ジュクジュクしている・化膿している
  • 赤みが周囲に広がっている・熱を持っている
  • 発熱がある
  • 市販薬を5〜6日使っても改善しない
  • 糖尿病がある方・免疫を抑える薬を使っている方で、赤みの拡大・痛み・熱感・ジュクジュクがある

ドラッグストアでよく聞かれる相談

50代の女性の背後から白衣の薬剤師が高齢者のあせもに合った塗り薬の選び方を丁寧に説明している様子のイラスト

相談:「80代の父が首まわりにあせもができてかゆがっている。何を塗ればいいか」

迷い:どの市販薬を選べばいいか分からない。ステロイドを使っていいか不安

結論:赤みが軽く、かゆみが主であれば抗ヒスタミン外用薬が候補になります。赤みや炎症が強い場合は、外用ステロイドを5〜6日程度の短期間で使う選択肢があります。高齢者は皮膚が薄いため、首など吸収されやすい部位では薬の強さや使用期間を薬剤師に確認してください。ジュクジュクしている、赤みが広がっている、熱感や痛みがある場合は、市販薬で様子を見続けず受診を優先しましょう。


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この記事の根拠

1. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「汗疹(あせも)」 あせもは汗腺が閉塞して汗が皮膚に貯留することで起きる皮膚疾患です。水晶様汗疹・紅色汗疹・深在性汗疹の3種類に分類されます。かゆみが強い場合や炎症が続く場合は皮膚科への受診が勧められています。

参照:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A

2. PMDA 一般用医薬品 添付文書 外用ステロイドを含む一般用医薬品の添付文書には、5〜6日間使用しても症状がよくならない場合は中止して相談することが記載されています。

参照:PMDA 添付文書検索(一般用医薬品)

3. 厚生労働省 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(令和6年3月) 既承認のStrongクラスのOTCステロイド剤における使用上の注意として、「5〜6日間使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、医師・薬剤師または登録販売者に相談する」と記載されていることが確認されています。

参照:厚生労働省 第27回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議


この記事は薬剤師が執筆・監修しています。個別の症状や服用中の薬については、かかりつけの薬剤師または医師にご相談ください。

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