糖尿病の治療薬を飲んでいる方が市販の風邪薬を選ぶ際、成分によっては血糖値に影響するリスクがあります。この記事では、ドラッグストアで500件以上の相談を受けてきた薬剤師が、避けるべき成分と注意点を一次情報に基づいて解説します。
この記事でわかること
- 糖尿病の治療薬を飲んでいる時に注意すべき市販薬の成分
- 血糖値に影響しやすい成分
- 受診が必要なサインの見分け方
3行まとめ
- 注意すべき成分:糖分を含むシロップ剤・トローチ・のど飴、プソイドエフェドリン・フェニレフリン
- 選びやすい成分:アセトアミノフェン(発熱・痛み)・デキストロメトルファン(咳)・カルボシステイン(去痰)・ロラタジン(鼻水)
- 受診目安:血糖値が普段より著しく高い・低血糖症状が続く・38℃以上が3日続く・食事が取れない状態が続く
なぜ注意が必要なのか
糖尿病の方が市販の風邪薬を選ぶ際に注意すべき点は2つあります。
一つ目は糖分を含む製剤です。シロップ剤・トローチ・のど飴には糖分が含まれていることが多く、血糖値を上昇させる可能性があります。
二つ目は交感神経刺激成分です。プソイドエフェドリン・フェニレフリンなどは血糖値を上昇させる可能性があるため注意が必要です。また、風邪による発熱や食欲低下は血糖コントロールを乱しやすいため、体調管理にも注意が必要です。
糖尿病の治療薬一覧
- メトホルミン(メトグルコ)
- グリメピリド(アマリール)
- シタグリプチン(ジャヌビア)
- エンパグリフロジン(ジャディアンス)
- ダパグリフロジン(フォシーガ)
- インスリン製剤各種
上記は代表的な薬の一例です。処方されている薬が一致しない場合でも、糖尿病で通院中であれば必ず主治医または薬剤師に確認してください。
市販薬の選び方
シロップ剤よりも錠剤・カプセル剤を選ぶ方が糖分の影響を受けにくいです。のど飴やトローチは糖分不使用タイプを選んでください。
成分表示でプソイドエフェドリン・フェニレフリンが入っていないか確認してください。
解熱鎮痛薬はNSAIDsを避けてアセトアミノフェン単成分を選んでください。
シックデイについて
糖尿病の方が発熱・下痢・嘔吐・食欲不振などで食事が取れない状態を『シックデイ』といいます。
シックデイ時は血糖値が不安定になりやすく、普段の薬の服用を続けるべきか判断が難しくなります。
事前に主治医からシックデイのルールを確認しておくことが重要です。食事が取れない状態が続く場合は早めに医療機関に相談してください。
選びやすい市販薬の例
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なお、低血糖症状が出た際の対応としてのど飴は使用できません。低血糖時はブドウ糖または砂糖を含む食品を使用してください。
受診が必要なサイン
- 血糖値が普段より著しく高いまたは低い
- 低血糖症状(冷や汗・手の震え・動悸)が続く
- 食事が取れない状態が2日以上続く
- 38℃以上の熱が3日以上続く
- 嘔吐や下痢がひどく水分が取れない
- 意識がぼんやりする
よくある質問
シロップ剤は全部ダメですか?
糖分不使用タイプであれば選択肢になります。成分表示と糖分の有無を確認してください。
のど飴はダメですか?
糖分不使用タイプを選んでください。一般的なのど飴には糖分が含まれていることが多いため注意が必要です。
シックデイの時に薬は飲み続けていいですか?
シックデイ時の薬の服用については事前に主治医に確認しておくことが重要です。食事が取れない状態が続く場合は早めに医療機関に相談してください。
風邪をひいた時の血糖管理はどうすればいいですか?
こまめに血糖値を測定して、普段と大きく異なる場合は早めに医療機関に相談してください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の判断は必ず医師・薬剤師にご相談ください。本記事にはアフィリエイトリンク(PR)が含まれます。
参考資料
- PMDA添付文書
- 厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針」
- 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド」

